転生従者の悪政改革録


『転生従者の悪政改革録〈ブラック・クロニクル〉』(語部マサユキ著/角川スニーカー文庫)★★★★☆

転生従者の悪政改革録 (角川スニーカー文庫)
転生従者の悪政改革録 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年12月刊。
「悪役令嬢転生もの」といえば女性向け(特にWEB小説)で人気のある一大ジャンル。
本作はそのセオリーを活かしつつ、うまくアレンジを加えた面白い作品だと思います。
大好きな先輩と一緒に異世界に転生(意識の入れ替わり)した主人公が、元の世界に戻る方法を探しつつ、悪役な公爵令嬢となってしまった先輩の破滅フラグを回避する物語。
体育会系アスリート思考の先輩後輩コンビが、文系魔法至上主義な異世界の常識を覆していく爽快感のあるストーリーです。
決して脳筋ではないのが面白い。アスリートらしい発想の転換から生まれる現代知識と魔法の組み合わせ方が新鮮でした。
これはぜひシリーズ化してほしい!!

☆あらすじ☆
大好きな先輩との下校中、気づけば没落貴族として異世界に転生した水町勇利。仕える令嬢にしぶしぶ会いに行くと――待っていたのは完璧な土下座姿のお嬢様で!?  打倒魔法至上主義! 勇利と先輩の改革が始まる!

以下、ネタバレありの感想です。

 

強豪水泳部で先輩後輩関係にあった清水七海水町勇利
そんな二人が、下校中に寄った神社で不思議な光に包まれ、気づけば異世界に転生していた、というところから物語はスタートします。

 

面白いのは「転生」とはいっても「生まれ変わり」ではなく「意識の入れ替わり」と言うべき状態にあること。
嫌われ者の公爵令嬢ナーミィとなってしまった七海と、令嬢の従者ユリウスとなってしまった勇利。
そして本物のナーミィとユリウスもまた、現代の七海と勇利の体の中に入ってしまっているのです(ユリウス未確認)

 

とりあえず状況を把握した七海と勇利は原因と考えられる王家管理の「宝珠」に近づく方法を探していくのですが、その一方で勇利は魔法によって幻視したナーミィの破滅フラグを回避していくことに。

 

破滅フラグ回避は悪役令嬢転生モノのお約束(?)ですが、それが従者主人公が大好きな先輩のために頑張る物語になっているところが特に好みです。
勇利の七海に対する初々しくて健気な恋心に思わず笑顔(*´∀`)
まぁ本人がストーカー気質に悩んでるのには普通に笑いましたがw
強烈な執着心ww

 

このナーミィの破滅フラグ回避が「魔法至上主義」に囚われる国の在り方に関わっていくことになるのですが、ここでも本作の独自性が発揮されていたと思います。
七海と勇利が強豪水泳部の部員であり、そして勇利がトレーナーとして優秀であるという設定をフル活用して、胃世界の常識を覆していく後半の展開。
筋トレの理論に魔法を組み合わせて、地獄の特訓を可能にするとか発想がナナメ上すぎてw
確かにアスリートにとっては天国かもですねー(;・∀・)

 

七海と勇利の体育会系な思考が楽しいのですが、物理押しな脳筋じゃないのが特に良いのです。
魔法至上主義を掲げる文系貴族どもを、体を鍛えた上で頭を使って叩き潰す後半の決闘試合は読み応え抜群でした。爽快感も素晴らしい!
あの試合、エルノワールさんが最大の被害者すぎて同情しましたがww

 

さて、今回は一応うまく騒動がおさまりましたが、最後はちょっと気になる展開。
文系魔法至上主義の「常識」を正面から挑んで叩き壊してしまった体育会系主従コンビ。
彼らの異世界改革が始まっていくのでしょうか。今後の展開に期待したいです。

 

現代のほうで「おせっかい」を画策しているナーミィの動向も気になります。
「勇利」の中の人が誰なのか気づいてないところが、色々と楽しみなのでw

 

というわけで2巻を楽しみに待っています(*゚▽゚)ノ

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