とある飛空士への誓約9


『とある飛空士への誓約9』(犬村小六著/小学館ガガガ文庫)★★★★★

とある飛空士への誓約 9 (ガガガ文庫)
とある飛空士への誓約 9 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


2015年11月刊。
「とある飛空士への追憶」から始まった飛空士シリーズの終着点。
まずカラー口絵を見た段階で胸がギュッとなり涙が浮かんできました。
「追憶」「恋歌」「夜想曲」「誓約」の全17巻。人を変え、場所を変え、時代を越えても、空はつながっていたのだと思える完結巻でした。
本当に素晴らしかった。最高です。読めて良かった。ありがとうございました。

☆あらすじ☆
飛空士シリーズ、ついに感動のフィナーレ! ついに二千年来の悲願であった「天地領有」のために動き出すウラノス。一千隻を越えるウラノス飛空艦隊が西進を開始したなら多島海は滅亡するしかない。世界の命運をかけ、多島海連合軍首席参謀バルタザールは史上最大の奇襲作戦「オペレーション・オーディンズ・スピア」を立案する。片道切符の作戦に参加した清顕とイリアは、仲間たちと共に王都プレアデスを目指すが……。「神さまの造ったこの星が太陽に呑まれ爆発して文明も人類も永劫に消滅してもなおきみと共にいたい」。 空にあこがれた少年少女が織りなす恋と空戦の物語――『とある飛空士への追憶』から始まった七年以上にわたる壮大な飛空士シリーズが、これにて完結……!

以下、ネタバレありの感想です。(飛空士シリーズ全てについてのネタバレも含みます)

 

ついに迎えるウラノスとの最終決戦。

誓約を胸に刻み、勝利を求め、友情のために走り抜けた「エリアドールの七人」。
そのひとりひとりが誓約のことばを心に浮かべるたびに、ぐっと胸が詰まって苦しくて仕方ありませんでした。

 

永遠の友情を信じ、再び全員が集まれることを信じ、自分ができる精一杯をそれぞれの戦場で成し遂げた7人の主人公たち。

そんな彼らを戦場で支えるのは、「空の王」と呼ぶに相応しい3人の飛空士と、勇猛果敢な多くの飛空士達なのです。

 

空戦シーンの燃え尽きるほどの熱さはシリーズ屈指のものだったと思います。
絶対的に不利な条件を覆すために払った犠牲。
散った戦友の想いを受けとめて空を舞う飛空士。
残酷で辛く苦しい戦場のなか、誇りをもって進撃する飛空士たちの姿が眩しすぎて、そのあまりの美しさに涙が止まりませんでした。

 

そして、清顕、カルエル、魔犬、海猫の揃い踏みに胸を熱くさせない人なんていないのではないでしょうか。
特に海猫と魔犬が一緒に飛ぶ姿なんて・・・・・・もう・・・・・・(´;ω;`)
本当に、これは飛空士シリーズ全ての総決算なのだと思わずにいられないシーンでした。

 

そんな総決算たる完結巻。
そして飛空士シリーズといえば恋と空戦の物語。
ならば戦いの行方と同じくらい気になるのは、登場人物それぞれの恋の行方でしょう。

 

思えば「追憶」「恋歌」「夜想曲」のどれも、その結末はほのかな苦みが混じるものでした。
「追憶」の恋は一時のものとして黄金と共に空へ溶け、「恋歌」の恋人達は再会を約束して引き離され、「夜想曲」の飛空士は愛した歌姫のもとに忘れ形見を残して空に散りました。
そのどれもが美しく心に残る結末。それぞれが名作と呼ぶに相応しいことは間違いありません。

 

それでも、やはり私が見たいのは笑顔のハッピーエンドなのです。

 

「誓約」こそは・・・・・・と思いつつも、どうしようもなく不安にさせられた8巻のラスト。
そして9巻に入ってからの激戦と死闘の数々。
ボロ泣きで読み進めた512ページ。

 

本当に本当に読んで良かった・・・・・・!!

 

まず最も気になっていた清顕とイリアの恋。
出撃前のプロポーズは最高でした。
なんでこのタイミング!?って私も思ったけれど、あそこでケジメをつけるのが清顕らしいなぁとも思ったり。
色んな波乱の中でしばしば揺らいだ二人の恋でしたが、無事に結ばれて本当に良かった。
ラストの全員に聴かれてたオチは(安堵も手伝って)自分でもびっくりするくらい笑いましたww カルおまえwww

 

清顕の恋が実るならこちらはどうなるのか、と気になっていたのはミオとライナの関係。
ふたりがいなければこの勝利はあり得なかったんですよね。
裏切者の汚名をかぶっても誓約を守ったふたりだからこそ、どうか幸せになってほしい。その願いが叶って本当に安心しました。
実を言うとライナはダメかもなって少しだけ思ってたんですけどね。まさかあんな形で横槍が入るとは予想外でしたw

 

そして最も不安だったバルタとかぐらの恋。
もうね。冒頭のバルタの懊悩が辛すぎて。生死について考えるのは戦いを終わらせてからだと言い聞かせるバルタが悲しすぎて。
そしてようやく戦いを終えた彼が、真っ先に向かった先は墓地で・・・・・・。

 

そんな・・・・・・(´;ω;`)

 

まさか・・・・・・

 

・・・・・・6人とかwwwww
もうほんとバルタ愛してます!

 

 

最後のひとりセシルについては、結局彼女だけ色恋ネタがないままでしたね。
ちょっと不憫な気持ちになってしまいました。
めっちゃ頑張ってたのになぁ。
これはもう彼しか・・・・・・飲み友だち?そんなぁ(´・ω・`)

 

誓約を守り、戦いに勝利し、恋に決着をつけた「エリアドールの七人」。
誓約は守られても彼らの再結集はやはり難しいのかな、と思っていたら想定外すぎるアシストが入って奇声をあげましたw
もう!大嫌いなキャラだったのに!!アンタ最低だけど最高だ!!!!

エピローグの子どもたちの会話も素敵。王道ですが、それだけに心に響きました。

 

また、忘れてはならないのは「誓約」の中でも大きな存在感をみせたカルエルとクレア。
あの別離から6年以上を経ての再会シーンは、本当に目頭が熱くなりました。
清顕との絡みでは貫禄のバカ王子っぷりを発揮していたものの、戦場では凜々しく爽やかなプリンスだったカル。そして最初から最後まで気高く素敵な女性であり続けたクレア。
激動の人生を歩んだふたりだからこそ、これからは穏やかな未来を歩んでほしい。
これでようやく「恋歌」もハッピーエンドですね!

 

他にもいっぱい書きたいことがあったはずなのに、うまくまとまりません。
うう・・・・・・もう「最高!」を連呼するだけの機械になりそう。

 

本当に素晴らしいシリーズでした。
この物語を生み出してくれた犬村小六先生には多大な感謝を捧げるとともに、次回作を心から楽しみに待ちたいと思います。

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。