『おきつねさまのティータイム』(高村透著/メディアワークス文庫)★★★☆☆
2015年10月刊。
人に化ける狐と詐欺師の青年の物語。
ほっこりできるカフェものだと思って読んだのですが、ほっこり要素がほとんどなくて驚きました。むしろ結構エグみが強い感じかも。
特に主人公のキャラが予想外すぎました(;`・ω・)
3章立ての物語で話としてはまとまっているものの、ここで終わると色々と苦い後味。
紅茶の蘊蓄多めなライトミステリとして面白かったので、続きが出ることを期待しています。
☆あらすじ☆
心休まる洒落た雰囲気の紅茶専門店マチノワでは、女の姿に化けた狐が紅茶を出してくれるという―。実は彼女、紅茶を淹れるのが苦手。客に紅茶を淹れるのは、もっぱら尼子拓巳という青年の役割だった。そんな店を訪れるのは、悩みやトラブルを抱えた客ばかり。お節介焼きの狐と、そんな彼女に呆れつつもフォローする拓巳なのだが…。これは、人を騙すことがきわめて下手な狐と、人を騙して生きてきた詐欺師との、嘘と紅茶にまつわる物語である。
以下、ネタバレありの感想です。