ストロベリアル・デリバリー


『ストロベリアル・デリバリー』(織川制吾著/集英社オレンジ文庫)★★★☆☆

ストロベリアル・デリバリー ぼくとお荷物少女の配達記 (集英社オレンジ文庫)
ストロベリアル・デリバリー ぼくとお荷物少女の配達記 (集英社オレンジ文庫)

2015年10月刊。
配達人と「荷物」の少女の配達日誌的短編集。
かなり不思議な雰囲気のある作品で、これはたしかに小説としては新感覚なのかもしれません。
ただ、すごく既視感のある世界観。個人的には「世にも奇妙な物語」っぽさを感じて仕方ありませんでした。
現代日本が舞台なのに(たぶん)、異世界で異空間な感じがすごくて、読んでいると頭がグルグルしてきます。
読後は乗り物酔いみたいな気分になる作品でした。ちょっと疲れた・・・・・・

☆あらすじ☆
配達人のイットは今日も真っ赤な愛車「ダットサン」にお荷物少女のイソラと荷物を乗せてひた走る。イットが運ぶ荷物の届け先はいつもどこか風変わり。千人以上の人が住む家や辺鄙な土地に暮らす謎の一家など、一筋縄ではいかない彼らの頼みにイットはなぜか巻き込まれて…!?荷物にまつわる、ちょっと不思議な人々と、二人の日常を描く新感覚配達人ストーリー。

以下、ネタバレありの感想です。

 

第一話 次のデートは百年後

出だしから、海外児童文学(絵本?)みたいな雰囲気のある会話。
そして配達人イットと「荷物」の少女イソラの名前から感じる異国っぽさ。
しかし舞台は日本なんですよね。しかもたぶん現代。

この時点で、割とカオスな雰囲気に呑まれてしまいました。
乗るバスを間違えて予定外の方向へ運ばれちゃったような気持ち。
あれ?表紙とあらすじから想像したのとは何か違う?そっち行っちゃうの?みたいな。

しかも1発目から500人超えの多重人格者×2の話ですし。
絵本っぽい雰囲気に騙されかけますけど、結構エグみが強い・・・・・・。

 

第二話 昨日の私によろしくと

第一話の衝撃のまま続く第二話もこれまたエグい。
おとぎ話的な良い感じのまとめ方をしてましたけど、これかなりのホラーじゃないですか?
いや、良い話しなの?うーん??

これやっぱり「世にも奇妙な物語」系の作品ですよね。
表紙の可愛らしさはどこへ。癒やされる予定だったのに・・・・・・(´;ω;`)

ただまぁこれはこれで面白かったので、こうなったら最後まで付き合ってやろうじゃないの!と開き直りました。

 

閑話 思いがけない寄り道

さぁ次はどんな奇妙な物語がくるんだ!と身構えていたのですが、意外に可愛らしいお話がきて安堵してしまったエピソード。
転落事故でピンチな事態のはずなのに、イットとイソラの会話が楽しくてほのぼのしてしまいました。
しかもその環境に馴染むのかw
オチにめっちゃ笑顔になりました( ´艸`)

 

第三話 真面目なやつほど夢を見る

世界観がブラックすぎるww
これもうそのまま「世にも奇妙な物語」に出せるのでは?
確かに「MK-ra」の状態異常攻撃は凄まじいものがありますよね・・・・・・これ実写化してほしい。
一番爆走暴走感がすごいエピソードでしたw

 

第四話 不束者ですが、お召し上がりください

正直に白状すると、第三話で疲れ切ってたので最終話は読み始めからすでにグロッキー。
なんかもう竜神出たくらいじゃ驚かない自分にびっくりです。
ここ、日本なんですよね?私はどこに連れてこられたのだろうか・・・・・・?

 

更に正直に白状すると、この作品は私にはまだ早かったような気がしなくもない。
面白いとは思いましたが、楽しめたかと言われると首を傾げてしまうので・・・・・・。
でも読んで良かったとは思います。
こういう作品もたまには良いかも、って思ってしまうような不思議な魅力がある作品でした。

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「ストロベリアル・デリバリー」への6件のフィードバック

  1. 表紙絵が星新一や舞城王太郎の小説の表紙を手掛けてる人と同じですね、紹介文を見るに「不思議の国のアリス」みたいな狂気とメルヘンの両方を内包した作品なのでしょうか?自分好みそうで興味が湧いて来ました。

    1. 名しさん、コメントありがとうございます。

      ああ!言われてみれば、映画の「アリス・イン・ワンダーランド」とか、とても雰囲気が近い気がします。ポップな悪夢風というか。
      ハマる人はがっつりハマるタイプの作品だと思うので、試してみるのはアリだと思います( ´∀`)b

  2. 読みました。面白かったです!個人的にはマジックリアリズムの効いた良作でした。
    小説の面白さとしては「チャーリーとチョコレート工場」や「キノの旅」,「四畳半神話体系」なんかと通じるものを感じました。確かにクセが強くて読む人を選ぶ感じですが、自分好みでした。紹介ありがとうございます(^_^)
    アクは強いですが「やし酒飲み」程の強い度数じゃないのでちょっと文章でほろ酔いしたい時にお勧めですね。
    主人公の イットとイソラという日本風と異国風の中間のような何処の世界にも属してないような名前がいっそ物語に異界めいたものを与えます。あと短編に共通して出てくる「涸れ井戸スコップス」には「夜は短し歩けよ乙女」の偽電気ブランを思い出したりしました。いったいどんな曲なんだろ?

    1. 名しさん、コメントありがとうございます。

      おお!早いですね!!

      自分の好みにぴたりとハマる作品に出会うと嬉しくなりますよね〜。良かったです(^^)

      文章でほろ酔いしたい、っていう感覚わかります。
      まぁ私の読んだ当時の感想は「乗り物酔い」だったのですが、コンディションさえ合っていれば・・・とも思ったりします。

      現実なのか異界なのか、境界線があやふやな作品って良いですよね。
      作中の不思議なあれこれに思いを馳せるのもまたこういう作品の醍醐味ですね。

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