バビロン1 女


『バビロン Ⅰ ー女ー』(野崎まど著/講談社タイガ)★★★★☆

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)
バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年10月刊。
新創刊した講談社タイガの第1弾ラインナップの1作。
ある不正事件を追っていた検事が発見した異様なメモ。その謎を追うちに主人公は想像を絶する闇を垣間見ることになるのです。
読む前に私が予想していたような推理小説とは一味も二味も違う異質な作品でした。
次は誰に何が起こるか分からない恐怖。主人公と一緒に迷宮を彷徨っているかのような不安感。
そして、中盤あたりからグンっと加速し、どんどん加速し、まだまだ加速し、もうトップスピードだろ!と思ったところで現れる「つづく」の絶望感。
勘弁して!ここで止めないで!と悲鳴をあげてしまいました。
早く・・・・・・続き早く・・・・・・(´;ω;`)

☆あらすじ☆
東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社・日本スピリと国内4大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」であった。正崎は、事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に暗躍する陰謀と、それを操る謎の人物の存在に気がつき……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

個人的には「know」以来の野崎まど作品。
本作は「know」を読んでいる時に感じた不気味さや不穏さをぎゅぎゅっと濃縮してSF要素を取り除きミステリ要素を最大化させた感じの作品でした。最終的にたどり着いたものを考えれば「know」を連想したのはあながち間違いではないのかも?

 

東京地検特捜部所属の検事正崎善が捜査に着手したのは薬剤アグラスに関する臨床研究不正事件。
その証拠品の中から出てきた血液と髪の毛と皮膚混じりの一枚のメモに書き込まれた無数の《F》によって、正崎の捜査は予想もつかない方向へ進んでいくことになるのです。
このメモ、わざわざ再現しなくていいですよぉ・・・・・・ページめくってビクっとしてしまったじゃないですか(´;ω;`)

 

ひぃいい・・・・・・と引け腰の私に追い打ちをかけるかのように次に出てきたのは三十時間をかけて麻酔死した麻酔科医因幡信の異常な死体
BGMに「カルミナ・ブラーナ」はやめて!曲名にピンとこなくてググッて後悔しました。なんてピッタリ・・・・・・ドラマとかで音付きで再現されたら夢に出そうです。

 

メモと死体をきっかけに、正崎は底の見えない謎の海にずぶずぶと沈んでいくことに。
しかし、ここから物語はどんどん加速していくのです。

 

因幡の周囲を洗っているうちに捜査線上に現れた、謎の女たちと「新域域長選挙」の関係者たち。
そして、捜査の最中に再び起こった不可解な死

 

新域構想の話が本格的に絡みだし、正崎の「正義」を揺らがせる真相が発覚した段階で、これがこの作品のゴールなのだと思った私はとんでもなく甘かったです。
巨大な悪とか必要悪とか、醜悪な政治絡みの話だと思っていたのに。御前会議のあたりでは「ああこういう系の話ねー」とかちょっとだけ肩すかしな気分だったのに。

 

まさかその先にさらなる闇が潜んでいようとは・・・・・・。

終盤はどうしようもなく予想外な方向に転がっていく展開に、文字を追うことを止められませんでした。

 

そうしてたどり着くのは衝撃と狂気のラストシーン。
何が起こっているのかは分かるのに、何がどうなっているか理解出来ない恐怖。本当に、これは一体何が起こっているんだ・・・・・・(((゜Д゜;)))

 

全てのカギを握るのは「F」。
その正体と目的が気になるところですが、あんなところで「つづく」って酷すぎませんか?続きはいつですか?

 

悪戦苦闘の捜査の末に「悪」を認識した正崎は自分の「正義」を貫けるのでしょうか。
2巻もとても楽しみです!ヾ(*˙︶˙*)

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