紅霞後宮物語2


『紅霞後宮物語 第二幕』(雪村花菜著/富士見L文庫)★★★★★

紅霞後宮物語 (2) (富士見L文庫)
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前巻の感想はこちらから
紅霞後宮物語 | 晴れたら読書を
2015年10月刊。
元武官の女傑皇后・小玉が活躍する中華風後宮小説、待望の第2弾。
今回も最高に面白かったです!!
前巻ではあまり見えてこなかった皇帝の内側を深く掘り下げた回でしたが、・・・・・・ううむ彼は不憫な人なのか幸せな人なのか。とりあえずドMなのは分かりました(?)
小玉の人たらしっぷりは、もはや罪だと実感したエピソードでした。

☆あらすじ☆
先帝の遺児、出現――。突然帝国に投げ入れられた火種に、宮中は大混乱! 様々な思惑が渦巻く中、なぜか静観する皇帝・文林。そんな中、小玉は文林失脚に備え、彼と鴻を連れて後宮から逃げる準備をはじめていて!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

開幕早々の夫婦漫才に笑いました。オッサンくさいうめき声がそんなにイヤだったんですね、文林ww
そして相変わらず実の息子をライバル意識してるとか、この三十路め。
結局、小玉には何一つ伝わらず、父子仲良く一緒に風呂に入ってしまうところがどうしようもなく滑稽でした(´・∀・`)

 

そんな(不憫な)皇帝陛下の地位を揺るがしかねない「先帝の実子」の登場により、宮中を巻き込む大きな騒動に小玉も巻き込まれていき・・・・・・というのが2巻のストーリー。

 

先帝の遺児登場で一気に焦臭くなった政情に、皇后である小玉がどうするのかと思いきや、粛々と逃亡計画を立案し準備を進めるという潔さでした。男前すぎるww
「文林と鴻を連れて逃げる」ことに何の躊躇もないところが小玉の強さと優しさだなぁとしみじみ感じました。
形だけの夫と血のつながらない息子を、命をかけて逃避させようというのですから。本当に逃げなければならない状況なら、逃亡に成功しても生きている限りずっと大変な目にあうことはわかりきっているのに。
それにあっさり付き合いますっていう清喜たちもすごいけど。人徳だ。

 

そんな感じで小玉が前巻同様に男前っぷりを振りまきつつ、ドタバタと進んでいく皇帝の遺児騒動。
当事者であるについては、悲惨でありつつも救いのある結末にホッと胸をなで下ろしました。前巻がああいうラストだったので。
まぁ、皇帝と王太妃が恐ろしい取り決めをしていましたが、実現はしなかったから良しということで・・・・・・(((゜Д゜;)))

 

その一方で、謀反騒ぎを足がかりに深く掘り下げられていくのは皇帝・文林の秘められた内面。
前巻の時点ですでに「小玉が大好き、でも愛が伝わらない不憫な男」というキャラが強烈だったお人ですが、ううむ予想以上に歪んでいらっしゃる(;`・ω・)

 

そもそもこの男の小玉への愛は、本当に男女の恋愛的な意味での愛なのか?という疑問がふつふつとわいてきたり。
神とか、そういう超越した存在に捧げる愛に近いような雰囲気があります。

本人自ら言っていることですが、文林の小玉に対する在り方は「狂信者」という言葉が実に相応しい。
「血筋」に固執している割には、その子孫たち自体に何らの敬意も人間扱いすらもしてこなかった羅義龍
そんな「器」に執着していた男にシンパシーを感じていることからも、文林の狂気がうかがい知れるというものです。

 

文林が愛してやまないのは「小玉」という名の「将器」だけなのではないのか?という疑問から湧き出るこのモヤモヤをどうしてくれる。
まぁヤキモチ焼きまくりだし心狭いし、そういう意味では恋する男と言えなくもないのでしょう。恋の純粋さとか愛の誠実さとかは微塵も感じないがな!

 

結局、文林が「皇帝」である理由のほとんどは小玉にあったことが今回でハッキリしたわけです。
崇拝する小玉を補佐する存在でありたい、そんな彼女を「歴史」とするためなら添え物扱いも本望だと笑う皇帝。
もうなんていうか、お前の愛、重い

 

そもそも歴史に名を残すなんてことを小玉自身が望んでいるわけではないわけで。それに固執するのは文林の身勝手でしかないんですよね。
そんな文林だから、清喜に「娘子を大事にしていないから大家が嫌い」と言われ、明慧に「文林の小玉への接し方が嫌いである」とか言われちゃうんですよ。
・・・・・・本当に、思った以上に周囲から嫌われてたなぁ(´・ω・`)

明慧が危惧するように、文林はいつか彼の中の「理想の小玉」のために小玉を窮地に追い込むのでしょう。それ自体が彼にとっての既定路線であるようですし。

 

もっとも、この夫婦の悲劇であり喜劇であるところは、小玉が文林の理想を受け止めてしまえる器をもっていることにあるのでしょう。
いやむしろ何もかも小玉が人たらしなのが悪いのでは。
小玉が文林の歪んだ信仰心に気づいているとは思えませんが(愛の拒絶でいっぱいいっぱいだし)、小玉自身が文林に使われたがっているのが一周回って文林の思惑通りになりそうなのが何ともアレです。気が合うっていうか、お似合いっていうか。もうこれも一種のバカップルといって良いのでは!?(錯乱)

まぁ、「運命」って一言で片付けてしまえる関係ですね。うん。最後の文林の言葉には苦笑しかありませんでしたw

 

すでに斜陽にある帝国にあって、小玉がどんな歴史を築くのか、そのために文林はどんな舞台を用意するのか。
歪な仮面夫婦の今後が気になって仕方ありません。

今回も文林の愛を拒絶した小玉ですが、恋愛方面もこっそりしつこく期待してますからね?
恋人探しとかやめて差し上げて・・・・・・

ぜひ3巻をくださいっ!楽しみにしています( ´ ▽ ` )ノ

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