偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中


『偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中』(竹岡葉月著/ファミ通文庫)★★★★☆

偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中 (ファミ通文庫)
偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中 (ファミ通文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年10月刊。
面白かったー!!
前作「パナティーア異譚」は二度目の異世界召喚を描いたファンタジーでしたが、新作のこちらは元の世界に戻れないまま異世界で2度目のスタートを切ることになった少年の物語。
「元魔族軍の大元帥」という秘密を抱えたまま、帰還の手がかりをもとめて主人公は苦難の学院生活を送るわけですが、話の運びは滑らかだし伏線の回収も丁寧。
序盤の設定こそ目新しさは薄いものの、どんどん面白い方向に話が進み、最後まで楽しく読める良作でした。
これはシリーズ化に期待したい!

☆あらすじ☆
平凡な中学生だったケータが、異世界ディルスマグナに召喚されて早三年。フレッドフォード召喚学院に通うケータには、ある秘密があった。それは彼が魔王の腹心、大元帥ヴェーレスとしてかつて名を馳せていたこと! ヒトと魔族が和平を結んだ後、正体を隠し、強大な魔力を封じて元の世界に戻る方法を探すケータだったが……。ヒトの操る精霊召喚術はうまく発動せず、討伐するべき魔物はこっそり逃がし、ついた渾名は、任務達成率ゼロパーセント。しかしそんなある日、優秀な生徒だけを集めた遠征調査隊のガイドに任命される。その行き先はなんと、魔王軍の戦略拠点要塞ベルタ――元自分の城で!? 魔王の腹心が、落ちこぼれの戦術召喚士にジョブチェンジ!? 波乱尽くしの出直し異世界転戦記、堂々開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

異世界に召喚され、魔王フードゥーに拾われたケータ。彼女のもとで大元帥として活躍するも、突然の撤退宣言でフードゥーと訣別。そうしてケータは元の世界へ帰還する手がかりを求めて、戦術召喚士を養成する学院に入学することになるのです。

魔力を封じた影響かヒヨコしか呼べない落第生になってしまったケータ。
そんな彼が特殊な任務で予期せぬ「里帰り」をすることになってしまう、というのが今回のストーリーです。

 

「元魔族軍の大元帥」であることと、「地球から召喚された人間」であることの2つの秘密を抱えるケータ。
そんな彼の事情を知らずに「ゼロパーセント」とあだ名で呼んでケータのダメっぷりにため息をつく周囲の人々。
ケータ以外の人の間でも、身分の上下や成績の出来不出来で確執がある状況。

そんな感じでどうにも仲良くなれそうになかった学院の生徒たちが、終盤の「帰還作戦」でひとつにまとまっていく姿がとても良かったです。
絶望的な状況のなかで「楽しいことだけ話そう」と語り合い、「割れ顎を殴る!」と決意をひとつにする。そんなチームワークが生まれた瞬間の爽快感といったら!

その一方で、元魔族側&召喚された人間であるために素性を明かせない主人公だけがひっそりと疎外感を抱いているというのも印象的でした。
班員たちのように「夢」を語れないケータは、いつか自分だけの夢を見つけて彼らの輪の中に入ることができるのでしょうか。
夢を見つけたケータが、彼らと新たな絆を作れるところまでぜひ見たいものです。
今回の班員たちがケータにとって憂いなく「仲間」となる姿を見ることができたら嬉しいなぁ。魔族軍の方では(ラストの側近との戦いをみるに)そういう親しい関係は魔王以外と築けていなかったみたいですしね。

 

ピアスの再装着の条件的にも、この話の続きはぜひとも欲しいところ。
ヒロインはちゃんと確定してくれなきゃ!イリスライラのどちらなのか、あるいは両方ともなのか。
条件的にはケータを愛してくれる女性であれば良いみたいで、一人とは限らないようにも読めますけど。

 

ていうか、私的にはイリスとライラよりもフードゥーの方が気になりますけどね。メインヒロインってフードゥーじゃないの?って読み終わった今も結構思ってますし。
フードゥーの突然の翻意の理由も気になるしなぁ・・・・・・。

 

というわけで2巻に期待!続きも楽しみです(^^)/

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