紙透トオルの汚れなき世界


『紙透トオルの汚れなき世界』(石川ノボロヲ著/講談社ラノベ文庫)★★★☆☆

紙透トオルの汚れなき世界 (講談社ラノベ文庫)
紙透トオルの汚れなき世界 (講談社ラノベ文庫)

2015年10月刊。
第4回講談社ラノベ文庫新人賞「大賞」受賞作。
これもまたセカイ系といえるのでしょうか?
世界を変えようとする超能力少女を止めるために、なんとか彼女を懐柔しようとする少年のお話。
といっても基本的には明るいラブコメです。主人公がコミュ力モンスターすぎてちょっと引くレベルだったのですが、彼の軽快な語り口は読んでいて楽しかったですw
終盤で残された伏線を回収するのは次巻以降になるとのことなので、2巻に期待したいと思います。

☆あらすじ☆
「ちょっと世界を滅ぼしに行ってくる」そういってヒートテッ……いや魔装服に身を包んだ兄を送り出して数時間後。俺、里谷リトは奇妙な少女と出会う。少女の名は紙透トオル。差別と偏見に満ちたこの世界を作り替えようとしている少女だ。そんなバカなと笑う俺に、彼女はその『奇源』と呼ばれる超能力を見せてくれた。俺は彼女の願いを叶えてあげたいのか、それともいったいどうしたら……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

願いを叶えてくれる「夢の木」に世界の変革を願おうとする少女・紙透トオルを説得してほしい、と夢の木と超能力者を管理する「剪定社」の人間に頼まれた高校生・里谷リト
最初は戸惑いつつも、そのコミュニケーション能力の高さを活かしながらリトはトオルの願いを止めるために奮闘する、というのが本作の大まかなストーリーです。

 

超能力「奇源」とか超能力者「継人」とか、兄・ユウトの救出とか、色々な要素が絡んでいくものの、基本的にはトオルをデレさせろ!っていうスタンスのラブコメでした(たぶん)。
トオルのリトに対する好感度や信頼が世界の危機とトオル自身の安全に直結するわけですが、主人公がコミュ力のバケモノなので全然難題じゃないという(;`・ω・)
女の子たちに対する扱いの手慣れた感じに戦慄するしかありません。恐ろしいほどにリア充。男女問わずガンガン攻略していくんだもんなぁ・・・・・・生徒会長まで攻略する必要がどこにあったのか・・・・・・。
そのコミュ力、兄貴に少し分けてやればいいのに(´・ω・`)

 

女の子はたくさん出てくるもののリトの想い人は最初から決まっていて、そういう意味ではちょっと珍しいタイプのラブコメだったと思います。
ただ恋人一歩手前だった小夜子とそのままくっつくのかと思いきや、後半で予想外な展開に進んでびっくり。あんなにイチャイチャしてたのにメインヒロイン確定しないのか!
まぁあとがきによるとヒロインはリトらしいので、誰がリトを攻略するのかはまだまだ分からない様子。もしかしたら生徒会長とかもありえ・・・・・・うぇぇ・・・・・・
小夜子かトオルのどちらかになると予想しているものの、小夜子はちょっと怖いですからね。思考を読めるヤンデレとか地雷すぎて。私としてはトオルを応援したいですw

 

トオル率いる変革委員会と、それを止めようとする剪定社メンバー。
その対立を中心に描いていく一方で、この作品は家族の再生もひとつのテーマでした。

リトの家族関係については、あと一歩掘り下げた心理描写が欲しかったかも。色々な方向にリトの思考を引っ張るので、相対的に「家族関係への葛藤」という側面が薄れていたような気がするんですよね。ただそこらへんは好みの問題でしょうし、下手にややこしい展開をせずに綺麗に着地したのは良かったです。
あと、栞・トオル姉妹やカオリ・会長兄妹の方についてもシンプルにうまくまとまっていたのではないでしょうか。

 

さて、次巻で①夢の木の目的、②世界の終わりを回避できた理由、③欠落の章の意味が明かされるとのこと。
どれも本編を読んでいるときに「あれっ!?」と感じた部分だったので、伏線回収が楽しみです。

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