銀炎の七ツ姫と七禍の王子


『銀炎の七ツ姫と七禍の王子』(手島史詞著/一迅社文庫)★★★☆☆

銀炎の七ツ姫と七禍の王子 (一迅社文庫)
銀炎の七ツ姫と七禍の王子 (一迅社文庫)

2015年9月刊。
個人的には「飛べない蝶と空の鯱」(ガガガ文庫)以来の手島作品でしたが、面白かったです。
婚約者が暗殺を仕掛けてきた!という謎めく展開から始まるバトルファンタジー。
飄々とした第二王子と、彼に振り回される侍女、そして王子の命を狙う婚約者。
基本的にこの3人を中心に暗殺に隠された謎を追っていくのですが、「殺し愛」を軸においたストーリーがとても楽しかったです。殺し合ってるのにいちゃいちゃしてる・・・・・・!
あとがきを読むとシリーズ化を予定しているようなので、次巻も期待したいと思います。

☆あらすじ☆
ソティラス王国は王国を支える魔術師“クエーカー”の中でも特に強大な魔力を持つ「七ツ姫」の一族の力により支えられてきた。王国の第二王子のファルシオン・オリヴェル・ソティラスことシオンは、そんな七ツ姫のうら若き乙女“七歌”と彼女が16歳の誕生日を迎えた日に念願の婚約をはたすのだが、その夜、寝所でこれまでの淑女然としていた七歌の態度が一変し、炎の短剣でシオンを殺そうとする。七歌はある理由からシオンを殺さねばならないのだという。間一髪のところで七歌の深窓の令嬢にはあるまじき激烈な剣さばきをかわしたシオンだが、七歌に呪いをかけられるとともに、城下町に隠れた七歌によりところ構わず命を狙われる羽目に。シオンは執拗に命を狙う七歌を説得することができるのか。そして七歌の真の目的とは?昼行燈を装う第二王子と暗殺姫が織りなす対決ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は、放蕩者の第二王子シオン
婚約者七歌に再会したシオンは美しく成長した彼女に一目惚れするも、その夜なぜか突然七歌に命を狙われ、果てに「七日後に死ぬ」という呪いをかけられてしまうのです。
その後逃走した七歌に呪いを解いてもらい、彼女の行動の理由を問いただすため、シオンは侍女カティと共に七歌を追うことになる・・・・・・というのが本作序盤のストーリー。

 

本作を一言で表すなら、まさに「殺し愛」という言葉がピッタリ。
シオンとの戦いに悦びを見出して、ひたすら彼を殺したいと願う七歌。
そんな彼女の在り方こそを「殺し」たいと宣言するシオン。
お互いに命をかけて殺し合いに臨んでいるはずなのに、その姿が高らかに愛を叫んでいるようでドキドキしました。

七歌が憎悪を抱いていないのと、シオンがそれを理解して七歌を全身全霊で受け止めようとしているのが良いのです。
殺し愛は悲壮感とか悲劇性を伴うものが多いイメージですが、本作のふたりは基本的に戦うことを楽しんでいて(シオンは内心冷や汗かいてますけど)あまり陰鬱な雰囲気にはならないんですよね。だからとても気楽に二人の戦いを楽しめたのだと思います。

 

バトルもなかなか面白かったです。主人公が糸使いっていうのが珍しい。
まぁ、糸を駆使して七歌を降すのかと思いきや、あの決着のつけ方には唖然としてしまいましたが。
最低だ!この王子最低だ!!ww本人が「七歌を傷つけずに勝ったぜ!」ってドヤ顔してるのが本当に最低だ!!www
そりゃあ忠臣のカティもゴミ屑みるような目を向けますよね。

 

そんなシオンですが、彼の今後はかなり過酷。
国を滅ぼす予言と、その予言を覆すためにシオンを殺したい王家と七ツ姫。
暗殺騒動の直接の黒幕自体は割と読みやすいものでしたが、まさかまるっと全部が敵だとは・・・・・・。シリーズ化すれば他の七ツ姫と戦っていくことになるのでしょう。怖いなぁ。

戻る家もなくし、強敵に命を狙われることになった放蕩王子の今後はどうなってしまうのでしょう。

・・・・・・まぁ嫁と侍女と愉快な仲間達がいる楽しい空賊生活をしていそうな気がしないでもないw

 

面白い新作でした!次巻も楽しみですヾ(*˙︶˙*)

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。