鳳凰の婚姻 なつかれ巫女の育てかた


『鳳凰の婚姻 なつかれ巫女の育てかた』(彩本和希著/集英社コバルト文庫)★★★☆☆

鳳凰の婚姻 なつかれ巫女の育てかた (コバルト文庫)
鳳凰の婚姻 なつかれ巫女の育てかた (コバルト文庫)

2015年9月刊。
国を守護する鳳凰の巫女に選ばれた少女が主人公の中華風ファンタジー。
巫女と神官が夫婦になって霊鳥を育てる、ということで巫女の主人公が婿選びをさせられる物語なのですが、なかなか手堅くまとまっている良い作品でした。
ファンシーな設定の割にほんのりと血生臭さを感じるところが特に好み。もっと掘り下げてほしいくらいなので、続刊に期待です。

☆あらすじ☆
翡翠村のはずれに、一人で暮らしている藍珠。気持ちをうまく言葉にできない内気な性格だが、動物にはいたく懐かれ、時には意思が通じることも。ある日、見慣れぬ鳥が藍珠の家の屋根にとまったことで、国を守護する「鳳凰君」という名の巫女に選ばれてしまった!強引に連れていかれた都で巫女としての最初の仕事は、「5人の花婿候補から1人を選ぶこと」という驚くべき事実を聞かされて…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

鳳凰の巫女「凰巫君」に選ばれた田舎の村娘藍珠
迎えにきた幼なじみ隼鷹と共に都にやってきた彼女は、そこで巫女の夫になるべき神官「鳳覡君」を5人の皇子から選ぶように迫られるのです。

 

というわけで前半はまさに逆ハー展開
動物と意思疎通できるという特技をフル活用して、ぽんぽん皇子たちを落としていきます。チョロい!
・・・・・・というか、いくら何でも落とし方がおざなりすぎて、正直前半の展開はあまり好みではありませんでした。
だいたい、ヒーローはどうみても隼鷹一択。そのせいで皇子たちの話が出てきてもなんだか気乗りがしなかったんですよね。
隼鷹のターンはまだか!!と焦れさせられました。

 

本作を面白く感じられてきたのは後半から。
凰巫君である藍珠の命が狙われ、危険から遠ざけようとしたはずが、気づけば隼鷹との間に子どもが・・・・・・!
・・・・・・じゃなくて霊鳥の雛が!
雛誕生から隼鷹と仮の夫婦契約をする流れが、どうにも結婚前に予期せず子どもができちゃった的展開にみえてソワソワしてしまいましたw
そんな風にみえるのは私の心が汚れてるからなのかもしれませんけどね。いやでも「鳳凰君」の設定のあれこれがいちいち意味深すぎるのもいけないと思うんだ!(責任転嫁)

 

そんな感じで後半は怒濤の隼鷹のターン。
隼鷹が抱えてきた想いは最初から漏れまくってましたが、夫婦ごっこしてるときも開き直ったあとも、糖度たっぷりで超ニヤニヤしましたw

そんな隼鷹に対して、誤解を抱える藍珠。
ふたりのすれ違いっぷりはもどかしくて、その焦れったさがとても良かったです。
やっぱり再会系幼なじみが両想いになっていく物語って最高ですね!

 

鳳凰君を狙った陰謀については、あまり奇をてらわない素直な展開でした。驚きは少なかったものの、綺麗にまとめたストーリーで読みやすかったです。

ただし、主犯の動機は予想外。
鳳凰君の神秘的でファンシーな設定の影に、やたら血生臭い内情が隠されていたのは意外でした。
確かに霊鳥の力が強大であることを考えれば、そういうこともあるのでしょうけれど。
鳳凰の存在に疑問を投げかけるような展開は良い感じ。ぜひ続刊で掘り下げてほしいです。

 

一応うまいところ話がまとまりましたが、続けようと思えば続けられそうです。
ぜひシリーズ化してほしい!

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。