七日の喰い神


『七日の喰い神』(カミツキレイニー著/小学館ガガガ文庫)★★★☆☆

七日の喰い神 (ガガガ文庫 か 8-7)
七日の喰い神 (ガガガ文庫 か 8-7)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年9月刊。
カミツキレイニーさんの新作は、人間を喰らう「マガツガミ」と戦う元祈祷士の青年と喰い神のコンビが活躍するダークファンタジー。
表紙の喰い神がやたら可愛くて、主人公との歪で容赦のない敵対的コンビ関係も魅力でした。
ストーリーは3章立ての連作短編形式でテンポよく進み、そこはかとなく漂う憂鬱な雰囲気がカミツキレイニー作品らしくて良かったです。
気になる謎が残ってますし、続けばもっと面白くなりそう。ぜひシリーズ化してほしい!

☆あらすじ☆
神を憎む男の相棒は、人喰う神の少女。夏の猛暑のさなか、行方不明となっていた少年が凍った死体となって発見された。警察は事件の異常性から“マガツガミ”によるものと判断した……。古来よりこの国には人間に害を為す禍々しい神々“マガツガミ”が存在する。そして、それらマガツガミを討伐する特殊な力を持った者たちを“祈祷士”と呼んだ。連携し独自に組織を作り上げた祈祷士たちは、マガツガミたちと長きにわたり戦いを続けてきた――。そして現代、天才的な資質を持ちながら祈祷士としての道を捨てた男・古川七日と、可愛らしくも残酷な“喰い神”の少女ラティメリア。人間とマガツガミという許されざる異種間のコンビは、法や常識に縛られることなく、彼らなりの理由と方法でもって禍々しい神々を葬っていく。カミツキレイニー待望の新作は、「冷徹な最強の男」×「人を喰う神の少女」の異種バディもの! 共闘もするが、たまに殺し合いもする……そんなコンビが見せるダークファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物を依り代に発生し、人を好んで喰らう「マガツガミ」
マガツガミ討伐のスペシャリストである祈祷士だった青年古川七日と、彼に依り代を質にとられたマガツガミ・喰い神ラティメリアの二人が、もぐりとして依頼を受けつつマガツガミを討伐していく、というのが本作のストーリーです。

 

ラティメリアと七日の関係はとにかく歪で不思議。
七日を食べようと虎視眈々と隙を狙い、暗殺未遂を繰り返すラティメリア。それをあっさり返り討ちにする七日。
これだけなら殺伐とした関係に思えるのに、失敗の代償がごはん抜きw
このせいで二人の関係が一気に可愛く見えてしまうんですよね。あれー?
まぁラティメリア自体がめっちゃ可愛いんですけど。マガツガミのくせに幽霊やパニックホラー映画にビビる小心っぷりが特にw

 

一方の七日は、もうちょっと掘り下げる余地がありそうな、底知れない雰囲気の青年。
彼の過去は最後の短編で少し明らかになりましたが、具体的なところは謎が多いまま。姉の六花と七日の過去に何が起こったのか気になります。
あと七日についてはラティメリアの扱いが印象的でした。ヒロインに対してここまで容赦ない仕打ちができる主人公も珍しいのでは。
敵のスキをつくためとはいえ、ラティメリアごとぶっ刺したのは驚きました。しかもその直後に「急所は外してある。立てるだろ」からの置いてけぼり。そこで放置か・・・・・・あまりにも無慈悲な仕打ちにこちらが泣きそうでした(´;ω;`)

 

殺伐としつつも微妙に仲良さげな雰囲気の七日とラティメリア。
一体こいつらはどんな関係なのだと戸惑いましたが、それだけに最後の共闘にはニヤリ。
こういう展開は好物です。物語が続けば悪態つきながらも信頼関係を築いていきそうな予感。そして無二の相棒へ。
そんな物語が読みたい・・・・・・!

 

連作短編っぽい作りも面白かったのですが、長編でも読んでみたい作品でした。
最後に出てきたハイドランジアはまだ半身が残ってますし、彼女以外の「六花のマガツガミ」も気になります。そもそもどうして人間が依り代になったのかも謎ですしね。
ぜひシリーズ化してそこらへんを掘り下げてほしいです。

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