翼の帰る処4 時の階梯(下)


『翼の帰る処4 時の階梯(下)』(妹尾ゆふ子著/幻冬舎コミックス)★★★★★

翼の帰る処 4 ―時の階梯― 下
翼の帰る処 4 ―時の階梯― 下

2013年11月刊。
皇女の成長を感じつつ、シリーズクライマックスの近さを思わせる怒濤の下巻。今回も面白かった!!

☆あらすじ☆
“黒狼公”をキーナンに譲り、待望の隠居生活に突入した過去視の力を持つヤエト。しかし、残念ながら隠居とはほど遠い仕事量に忙殺される日々を送っていた。そんな中、ターンの預言者・ウィナエに導かれ、ヤエトはジェイサルドらと共に世界の罅を塞ぐ手がかりを得るため、砂漠の深部・シンリールへと赴く。数ヵ月後、ようやく都へと戻ったヤエトだったが、都では第七皇子が反旗を翻し、まさに戦いの火蓋が切られようとしていて―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

前半は「しるべの星」ウィナエと共に智慧の女神を訪ねてシンリールへ。

ウィナエがヤエトに抱いていた想いが明らかになり、その予想以上の重さに驚きつつも、支えだったと言い切るウィナエを美しい人だと感じました。

未来を知ってなお、その未来に向かって歩かなければならないというのも辛いこと。その未来が「自分の死期」であれば尚更です。
そんな過酷すぎる宿命なのだから、その恐怖や苦痛を抱えて生きていくには強くなければならなかっただろうに。
でも、人は神のように全てを善しとできるほど強くない。そんな張り詰めた心で生きてはいけないから「強くなくてもいい」というヤエトの言葉がウィナエの心の支えとして彼女を癒やしてきたのだろうと思うと、なんだかしんみりとした気持ちになってしまいました。
ウィナエの預言者としての人生が、過酷なだけではなかったことが知れたことは救いでした。

とはいえ、最後は悲しくてほろりと涙がこぼれてしまいましたが。
全て分かっていて、それでもヤエトのしるべであり続けた彼女は本当に美しい。

 

犠牲を払っての女神さまとの謁見は、なんだか意味深な話で終わってしまったような(´・ω・`;)
世界の罅を塞ぐのを手伝ってくれる神は、すでにシリーズのどこかで登場済みの神様ということでしょうか。
神様関係は頭の中でうまく整理できてないのですが、ルシル絡みかなぁと予想。

 

そうしてヤエトが異界から現世に戻ってきたらジェイサルドが人間をやめてるww
ずっと燻っていたジェイサルドの魔物問題がここにきて解決。無敵老騎士が強化。・・・・・・味覚も強化されたらよかったのに。

 

後半は、第七皇子の叛乱の解決編へ。

あわや帝国分裂というところまでいくとは。
第七皇子が皇帝に逆らったのは、もうこの父にはついていけないと思ったからなのか。
皇子同士を争わせる無慈悲な帝国に愛想が尽きたからなのか。
始まってしまった戦争の行方にハラハラしましたが、その中でも凜として自分の役割に臨む皇女の成長に感動せずにいられません。
王としての器が磨かれてきたなぁ。
第1皇子が小物であることが発覚したし、やはり皇女が帝位に就くべきなのでは。そうすればヤエトの理想実現に近づけるわけですし(そして隠居の夢は永遠に失われる)。

 

それはそうと、戦争の決着のつけかたが衝撃的すぎました。
まさか妊娠して失踪した元王妃の話がこう繋がってくるとは。第三皇子がNGなのはわかるけれど、皇妹にこんな力持たせて本当に大丈夫!?と心配せずにはいられませんww

 

4巻もとても面白かったです。
このシリーズ、5巻で完結だそうですね。上巻は発売されてますが、下巻はいつになるのでしょう。
下巻の発売を待って上巻に手を付けるべきか、さっさと上巻を読むべきか。
今、深刻に悩んでいます・・・・・・

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