『翼の帰る処4 時の階梯(上)』(妹尾ゆふ子著/幻冬舎コミックス)★★★★★
2013年2月刊。
今回はもう予想外の連続でテンション跳ね上がるしかない状態にさせられました・・・!超面白かった!!
☆あらすじ☆
青鉄の鉱床発見の成果により、論功行賞を授与されることになったヤエトは皇都に赴き、皇帝から『隠居』を告げられる。かねてより、強い隠居願望を持っていたヤエトは静かに暮らせるかと思いきや、政務の引き継ぎや皇女との関係で慌ただしい日々を送っていた。そんな中、エイギルとミアーシャの息子のキーナンと養子縁素をし“黒狼公”家を継がせることに。政務を離れ「魔界の壺」がある場所の探索に本腰を入れるため砂漠へ旅立つが、「復縁」を迫られた皇妹殿下とヤエトは過ごすことを余儀なくされ…。
以下、ネタバレありの感想です。
第4皇子と第5皇子の騒動の後始末から始まる第4巻。
政局がまた動き始めたなぁ、とかハラハラしてたら・・・・・・
祝 ! 隠 居 ! !
このタイミングで!?と声に出して叫んでしまいました。挿絵の皇帝陛下、口元だけだけど悪い顔してるなぁw
なぜヤエトを隠居させたかについては、後に理由が語られるわけですが、親バカというかバカ親というか。
でも決意したっぽいのは「ヤエトに野心が欠けている」ことを指摘したシーンなんですよね。どう関係しているんだ?
そうして唐突に始まったヤエト念願の隠居生活。
でも夢は夢だから美しいんですよね。現実はかくも儚い。
やっぱり忙しいなんて・・・・・・隠居とは一体。ヤエトじゃなくてもこの状況は頭を抱えたくなるというものw
しかもパパになってるし。
まぁ〈黒狼公〉家を継がせるための養子の話は前から出ていたわけですが、いざヤエトを「父上」と呼ぶ少年が出てくると違和感が半端ない。
そんな少年にお説教を垂れた挙げ句にキラキラと尊敬のまなざしを向けられ、「セルクっぽい」とか評しちゃうヤエトのぶれなさ。好きだなぁw
隠居しても、ヤエトはやっぱり多忙なんだな・・・・・・と遠い目をしたところで更なる衝撃が。
頭突き・・・・・・!!!
皇女の襲撃は予想外すぎてぶわあああああっとテンションが上がりました。ここでその展開なの!?このタイミングで!?(2回目)
小僧がうまくやれなかったからこその反動なんでしょうけどね(ルーギンとヤエトがレイランドを小僧呼ばわりするシーンがとても好き)
ヤエトは立場上あっさり振りましたけど、初期に比べるとだいぶ態度が軟化してるし、これは望みありそうな予感。
いやそんなことより、ヤエトお前最後にさらっと何してくれてんだよ!!
先生だから!?指導なの!?頭突き&流血の仕返しなの!?え!?!?
大興奮ですよモーッ!
萌え転がりすぎてソファーから落っこちたじゃないですかー!三(‘ω’)三( ε: )三(.ω.)三( :3 )三(‘ω’)三( ε: )三(.ω.)三( :3 )ゴロゴロゴロ
それはそうと、今回一際存在感を発していた皇妹殿下。
彼女が言っていたとおり「魔界の蓋」に対応するのは隠居と未亡人がメインになっていくのでしょうか。諸国漫遊しちゃうの?
ていうか、ヤエトはこのまま隠居し続けるのだろうか。
ストーリーの方もどんどん謎めいたことになっています。
元王妃失踪に関する謎については下巻に持ち越し。
北嶺と皇女は遠く、しばらくはヤエト、皇妹、第二皇子がメインとなっていくのでしょうか。
帝位をめぐる争いもどうなっていくのか。第七皇子はリタイア間近だし、残る皇子は4人。ここにきて表に出始めた第三皇子の動向も気になるところ。
4、5、7みたいな形で皇太子候補が減っていくのだとしたら、血なまぐさい政争はまだ続くのでしょう。うーん。第二皇子がけっこう好きなんで、この人には頑張ってもらいたいけれど。
とりあえず速やかに下巻にとりかかろうと思います!