『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる5』(野村美月著/ファミ通文庫)★★★★☆
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(5) (ファミ通文庫)
前巻の感想はこちらから
2015年8月刊。
極甘エピソードを集めた短編集。今回もとても面白かったです。
面白かっただけに・・・・・・ここで打ち切りが無念すぎる(´;д;`)
☆あらすじ☆
演劇×吸血鬼のドラマティック青春ノベル、第5弾!!
「交際は――認められないわ」心を通わせ、恋人同士になった綾音と詩也に、いち子からまさかのNG宣言! 交際を隠すため、「つきあってない」と言い張る羽目になる二人。だが次のバレンタイン公演は『ロミオとジュリエット』。舞台の上でなら甘い関係を演じられると思う詩也だったが、そこには別の問題が――!? 初詣にバレンタイン、ホワイトデー、そしてカレナたちの卒業式。冬から春へ。つきあい始めた二人と周囲の人々が織りなす、極甘なエピソード!
以下、ネタバレありの感想です。
恋人同士になった詩也と綾音。二人の甘い日常を描いたエピソード集となっている第5巻。
表紙の「ロミオとジュリエット」が短編用に使われてしまったのは惜しい気もしますが(長編で読んでみたかった)、芝居の勉強にという名目で幼児の前でイチャイチャしちゃったふたりに砂糖吐きまくれて満足ですw
いち子女史が指摘していた交際NGの理由は、個人的には結構納得できたり。
「付き合ってるのかな?どっちかな?」という曖昧な状況が一番好奇心をそそるんですよね。野次馬根性を刺激するというか。
これが付き合ってしまったとハッキリすると「はいはいリア充爆発爆発」ってなるわけで。うん。いち子女史はさすがに鋭い。
バレンタインのロミジュリの他は、偲王子とのスキャンダルだったり初詣デートだったりひたすらいちゃいちゃしてたりと、甘すぎるエピソードが詰め込まれていました。
特に偲の恋の大暴走には笑ってしまうw
一生懸命、恋に努力している姿が本当に可愛いです。けれど、彼女の恋は前途多難ですね相変わらず。まずは女性として認識してもらうところからっていうのが、なんかもう、不憫だ(;`・ω・)
そして最後は「ドラキュラ」をもう一度。
1巻とは変わってしまった詩也と綾音の関係や、詩也の成長が垣間見れて、なんだか感動してしまいました。1巻を読み返したくなったなぁ。
そんなしみじみしたところで、未完。
本当に話が終わってない・・・・・・。
だってやっとここから理歌ちゃんが本格参戦して、雫の謎に迫って、今まで裏方だったいち子女史も絡んできそうで。
今回の冒頭のミナ=アリス・原田の独白も意味深だったし、ラストの「このあとに来る哀しみを、今は、知らなかった。」の「このあと」も気になるのに!!!!
ここで打ち切りなんてそんなのひどいよ!!
むしろここからが本番ですよね!?
あとがきで、あえて完結させなかった旨を書かれていて、それ自体は良いんです。まぁ謎を放置されたモヤモヤは残りますし、どうにか完結はできなかったのかなぁという想いは正直あります。それでも未完にしたことに野村さんなりの考えがあるということは理解しました。
でも、この続きはどうしても読みたい!
公式ブログによると後日談を準備中とのことですが。うーん、どうなるのかな。
「この先、このシリーズの続きを書くことはありません。ただ別の形で、なにかしらの決着をつけることができればと考えております」
(あとがきより抜粋)と書かれている、「なにかしらの決着」が後日談のことなのでしょうか。
もういっそ単行本でもいいよ・・・・・・本編の続きが読みたいよ・・・・・・。
とてつもなく悲しいですが、新シリーズを準備中ということですし、気を取り直してそちらを楽しみに待ちたいと思います(´・ω・`)
う〜む。打ち切りですか。
野村女史はファミ通文庫では別格で、鎌池さんや川原さんみたいなもんで、打ち切りは無いのではおもっていたのですが。
話の途中で打ち切られるとストレスがたまるので、打ち切りの少なそうな角川系以外をメインの戦場にしてほしいなぁ。
はにまるさん、コメントありがとうございます。
打ち切りだそうです・・・・・・。
私もまさか野村作品が打ち切りになるなんて思ってもいなかったもので、とても衝撃を受けました(´;ω;`)
野村さんは、ダッシュエックス文庫でも書いてますし、今度創刊される講談社タイガの執筆陣にも名前があったので他社での仕事が増えていきそうですよね。
良い作品をたくさん書かれる作家さんですし、気を落とさずに別の場所でも頑張ってほしいものです。