姫の華麗なる奴隷生活


『姫の華麗なる奴隷生活』(宇津田晴著/小学館ルルル文庫)★★★★☆

姫の華麗なる奴隷生活 (小学館ルルル文庫 う 1-27)
姫の華麗なる奴隷生活 (小学館ルルル文庫 う 1-27)

2015年8月刊。
王女に生まれながらも傭兵として育った主人公。彼女が自国を守るために乗り込んだのは、属国から大使として集めた姫や美女を奴隷として飼うような外道の帝国。
そんな帝国の暴走を食い止めるために手を組む王女と皇子の物語です。
とても面白かったのですが、これ最近の少女小説的にOKなの?ってドキドキしてしまいました。
美女の奴隷設定は想像以上に醜悪でエグいものでしたが、政争モノとして読み応えもあり、少女小説らしいラブコメも堪能できる良作。
続編も視野に入れているそうなので、ぜひシリーズ化してほしいです!

☆あらすじ☆
傭兵団のワイルドな男たちに育てられた、拾われ子の少女アメリア。ある日、自分の正体が行方知れずだったグリーフ王国の王女だと知り、びっくり!兄王から帝国の横暴と自国の危機を聴いたアメリアは、正義の怒りを燃やし、帝国を全力でぶち壊そうと決意。みずから「貢ぎ物王女」として帝国に乗り込むアメリアだが、皇位継承権を剥奪された悪名高い皇子ウイリアムが「飼い主」に決まって・・・!?甘い恋と野望が渦巻くラブコメ・ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

冒頭で書いたように色々と強烈な本作。
序盤で突然始まった大使の姫君に対する「品評会」から既にうえっ・・・となってしまってました。これは酷い。

読む前は「奴隷設定とかなんちゃってだろ〜」とかタカをくくっててスミマセン・・・・・・。
奴隷って、本当にそっちの意味か!!!
「(アメリア)姫の奴隷生活」と言う意味では偽りありなんですけど、実際に奴隷とされる女の人たちが存在するという意味ではガチ。
アメリアの母や姉の末路が予想以上に悲惨すぎて胸が悪くなりました。

 

人を家畜のように扱い尊厳を踏みにじる皇帝と第一皇子。
彼らに主導され暴走する帝国を正すべく、ウィリアムとアメリアは協力関係を結ぶのです。

主人公アメリアは傭兵という設定に見合った快活で真っ直ぐな脳筋ヒロインですし、彼女の「飼い主」となる死神皇子ウィリアムは悪名の皮を被った善人。
このふたりの感覚がマトモであるだけ、彼らが戦う皇帝たちの醜悪さが引き立つんですよね。おぞましすぎて鳥肌。

 

今回は、ウィリアムの奪われた皇位継承権を取り戻すために策謀を巡らせる話でしたが、続刊が出れば更に皇帝と対立を深めていくのでしょう。
皇帝との腹の探り合いや終盤の評議会の騒動はとても面白かったですし、うまく進めばかなり読み応えのある政争モノになりそう。期待しています。

 

ストーリーも良かったのですが、アメリアとウィリアムのラブコメも楽しかったです。
背景がアレなのでコメディも糖分も最近の宇津田作品に比べるとやや控えめでしたが、それでも十分に甘い。あとエロい
父親や兄の性癖を嫌悪しているくせに、アメリアの首に鎖を巻き付けるシーンでうっかり何かに目覚めちゃいそうだったウィリアムにドキドキしましたw
彼につられてアメリアも開いちゃいけない扉を開きかけてたような・・・・・・

あとすごく気になったんですけど、「必要になった場合に備えて」口紅と紅筆を持ち歩くってどういうことですかそこちょっと詳しく

アメリアとウィリアムが無二の相棒になっていく姿も楽しかったので、この二人がどうなっていくのかまだまだ読みたいです。続編が出れば「大使」としてのアメリアの出番も増えるようですしね。期待(何を)

 

主人公ふたり以外だとタイガーが実に良いキャラしてました。「暴風に飛ばない髪の毛」云々のくだりはめっちゃ笑ったw
何か過去に秘密がありそうなタイガーのことも、もっと掘り下げてほしいです。

 

予想以上にインパクトのある面白い作品でした。無事に続刊が出ますように!

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