魔法医師の診療記録


『魔法医師〈メディサン・ドゥ・マージ〉の診療記録』(手代木正太郎著/小学館ガガガ文庫)★★★☆☆

魔法医師の診療記録 (ガガガ文庫)
魔法医師の診療記録 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年8月刊。
人々を蝕む妖病を治療する魔術医師の少女と、その助手の青年の物語。
魔術と医術をひとつのものとする、という発想が面白い作品でした。てっきり魔法でぴかーっと(?)治すのかと思いきや、がっつり外科手術をするところが特に。
妖病の正体や、それに対する教会の在り方など、世界観の描き方も興味深かったです。
シリーズ化に期待!

☆あらすじ☆
今はもう忘れられた、魔法医師の物語――。太古の昔、医術と魔術とは、同一のものであった。今や人類は、かつて魔術と医術とが一つであったことをすっかりと忘れてしまっていた。しかし、この世には未だ医術のみで癒せぬ病が存在する。それは、伝承の中で、吸血鬼、狼男、食人鬼などと語られる化け物の類い、魔術を用いねば癒せぬ病――すなわち〈妖病〉が。故に古代の知恵、魔術と医術とが一体となった知恵を、未だ脈々と伝え続ける者たちがいる。すなわち――〈魔法医師〉が。魔法医師の少女・クリミアは自身が幼い頃に行った魔法医術の影響で、重大な妖病を患った幼なじみのヴィクターを治療するため、共に旅を続けていた。その目的は、ヴィクターの病を治せるだけの力をもった霊石《ガマエ》を集めること。その旅の中で、二人は数多の病人を治療していく。ときに魔法医師を異端と迫害する教会と戦いながら。ときに病人を魔物と称する人々と戦いながら。そして、病そのものと、戦いながら――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は魔法医師の少女・クリミアと、彼女を補佐する看護師の青年・ヴィクター
ヴィクターが罹患してしまった不治の病を治療するのに必要な「ガマエ」を集めるため、クリミアとヴィクターは旅を続けるのです。

魔法医師と妖病という設定がなかなか面白いです。
魔法医師っていうネーミング的にてっきり治癒魔法的な何かを使うかと思っていたのに、やることは鍼治療を併用した外科手術。開始早々、開頭手術が始まってビックリしましたw
まぁ鍼治療が治癒魔法的な感じではあるんですけど、それにしたって普通に医療行為してるんですよねぇ。

 

とはいえ、クリミアが治すのは普通の病ではなく「妖病」
グロテスクな造形の病原体「ドゥン」に罹患した人間や獣が、やがて妖物となっていくのですが、吸血鬼や悪魔というお馴染みのオカルト的な存在が、実は病気によって変異した末期の姿だというのがユニークです。
今回は吸血鬼になってしまう吸血病の話でしたが、シリーズ化したら他の妖病も読んでみたいです。

 

魔法医師と教会の関係も面白い。
教会としては「妖病」の存在を認めず、そんな妖病を治療する魔法医師は異端の存在。
普通の医師は教会の支配下にあるため、どれだけ医療技術を発展させても妖病に苦しむ人間は救えない。それどころか患者を異端者扱い。
こんな臭いモノに蓋をする的な教会の発想だと、いずれ行き詰まりそうですが・・・・・・
普通の医者であるノエルの最後の態度からみるに、教会の在り方はそう簡単には変わらないんだろうなぁ。
でもノエルが最後に爆発させた嫉妬心こそ、この世界での医療の在り方に対する答えだと思うのですが。

 

クリミアとヴィクターの関係も良かったです。
そういえばヴィクターは不死であっても成長はするのでしょうか?過去の回想からすると幼い頃に病気にかかってるような気がするのですが、今は青年だし。
それはともかく、ヴィクターとクリミアの互いを大切にする雰囲気はとても好み。
「もう二度と死んじゃったかと思わせないでください!」ってセリフが可愛すぎでした(´∀`*)

 

バトル的な要素も面白かったですし、2巻出て欲しいなぁ。期待してますヾ(*˙︶˙*)

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。