『六花の勇者6』(山形石雄著/集英社ダッシュエックス文庫)★★★★★
前巻の感想はこちらから
2015年7月刊。
TVアニメが大満足のクオリティで放送中の「六花の勇者」。
シリーズ最新巻はついに一つの大きなヤマ場を迎えてしまいました。
もう読んでて胃が痛かったし読み終わっても胃が痛い・・・・・・。
とにかく素晴らしかったです。次巻が待ち遠しすぎる。
☆あらすじ☆
〈運命〉の神殿で分裂した六花の勇者たちに、テグネウの本隊が迫っていた。六花たちはアドレットを中心に策を練るが、一方テグネウは大軍の凶魔での物量攻撃と、「愛」の力を利用した心理的な揺さぶりを仕掛けてきて……!?
以下、ネタバレありの感想です。
ついにテグネウ編クライマックス。
あれだけ六花の勇者を翻弄しまくった強敵との決戦だけに、この6巻の濃度は半端なかったです(((゜Д゜;)))
「黒の徒花」フレミーの命を守るためにテグネウを仕留めようと動き出すアドレットたち。
テグネウの居場所を突き止めるために策を巡らすその最中、ついにアドレットは自分が「七人目」であることを知ってしまうのです。
今回のテグネウは本当にゲスすぎてゲスすぎて・・・・・・
彼が「愛」に執着する理由も凶魔らしい狂気に満ちていて、その狂気を思いっきり注ぎ込まれて作り出されたアドレットとフレミーが憐れで仕方なかったです。
「愛」を踏みにじり、それによって嘆く人間の顔が見たい。
ただそれだけのために、アドレットとフレミーの人生を最初から操ってきたテグネウ。
全部がテグネウの手のひらの上だったとか。ああもう辛い・・・・・・。
テグネウによって今までの自分の全てを覆され絶望するアドレットの姿が痛々しくてたまりませんでした。
それでも、苦難を乗り越えて叫んだ「いつだって、嘘を真実に変えてきた!」というアドレットのセリフは本当に格好良かったです。痺れました。
どんなピンチも「地上最強」という言葉を支えに、機転をきかせて乗り越えてきたアドレット。そんな彼だからこそ、テグネウの卑劣な罠なんて気合いでどうにかできるに違いない。
たとえ偽りの愛情から始まったものであっても、きっと今のアドレットにはフレミーに対して本物の愛情が生まれているはず!
・・・・・・って信じてたのに(´;ω;`)
こんなの酷すぎる。やっぱりテグネウの呪縛から逃れられないんですか?
フレミーへの愛情はもうどこにも存在しないのか・・・・・・むしろ憎悪が生まれていませんか・・・・・・
最後の最後にテグネウがアドレットに残した言葉。あれは真実なのでしょうか?もしそうなら、本当にこれからどうするんだろう。
愛を糧に努力してきたアドレットは、愛を失い、六花の勇者でもなくなり、一体何者になってしまうのか。
そのカギを握っていそうなのはエピローグの魔神と一輪の聖者?
元々用意されていた「七つ目の紋章」の存在理由が気になります。
重苦しい展開が続くものの、救いは「七人目」問題が解決したことで今度こそ六花の仲間たちが団結できそうなところでしょうか。
アドレットの変貌があるから簡単にいかないかもしれませんけど、それでも疑心暗鬼状態がなくなるのは大きいと思うのですよ。
特に今回は六花のチームプレーが良かったですしね。見開き挿絵のゴルドフとモーラの笑顔が素敵でした。私ゴルドフ好きすぎる。
六花が団結したらこの胃の痛みも少しは軽くなりそう。これでまた六花が分裂したら、私の胃は限界を迎えるでしょうね(꒪ཫ꒪; )
テグネウを倒しても、カーグイックやドズー&ナッシェタニアがいるし、さらに魔神も控えているわけで、まだまだ物語は続きそうです。
全ての戦いが終わる前にでも、アドレットがもう一度フレミーを愛してくれるといいんですけど。じゃないとフレミーが可哀想すぎる(´・ω・`)
フレミーがしょんぼりとするラストは、本当に涙腺を刺激しました。土下座で頼むから彼女には幸せになってほしいです。
ハンスがまた良い感じに出張ってアドレットをどうにかしてくれないかなぁ。チャモの子守が大変だから難しいかなぁ。
はぁ〜・・・次巻が待ち遠しすぎです。
アニメを見ながら気長に待つとしましょう。アニメ放送期間内に新刊出たりしないかなー。無理かなー。