『魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉12』(川口士著/MF文庫J)★★★☆☆
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉12 (MF文庫J)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
2015年7月刊。
第三部が始まり前巻のプロローグを経て、ようやく物語全体が大きく動き出してきた感じがあります。
新たな戦姫が登場し、ブリューヌ国内も小さくない動きが起こり、そしてティグルもある決断をしたりして。
しかもラストには衝撃の一文が。これは次巻が待ち遠しい!
☆あらすじ☆
ブリューヌ王国に侵略したザクスタン軍を撃破するため、月光の騎士(リュミエール)軍を結成して、その緒戦を勝利に導いたティグル。王都ニースで戦況を見守る王女レギンの下を訪れたが、王宮は謀略の渦巻く魔窟となっており、凶悪な魔手がティグルに忍び寄る。戦場の敵はザクスタン軍だけにとどまらず、因縁の深いあの男の登場により、ブリューヌの地を舞台とした戦乱は、新たなる局面を迎えることに。一方、ジスタートでは新たに煌炎バルグレンを継承した戦姫フィグネリアがヴィクトール王に謁見していた。幾つにも重なり合う陰謀と戦いを目前に、英雄となった少年は、戦友たちと共に未曾有の混乱を収束させることができるのか――大ヒットの最強美少女ファンタジー戦記、急転直下の第12弾!
以下、ネタバレありの感想です。
前半はブリューヌ王宮を巣くう陰謀との決着。
まぁティグルの戦姫ハーレムを考えるとジスタートと通じてることが疑われても、ちょっと仕方ない気もしますw
ともあれ、これでやっとメリザンド絡みの騒動は解決ってことでいいんでしょうね。
メリザンド側の人間が言った「レギン王女も、ヴォルン伯爵も、私には理解できない」という言葉が、なぜかとても印象的でした。
今回はレギンがヒロインのひとりとしてとても存在感を発揮していたように思います。
風呂場でティグルを勧誘・・・・・・出会いの時もそうですが、王女さまなのに本当に身体張ってるなぁ(^^;)
レギンの傍に行くことを決めればエレンとは離れてしまう、そのことへ葛藤するティグルの姿が少し切なかったです。
この二人が引き離されるのは寂しすぎるんですが・・・・・・
ただまぁ後半の展開的に、このままティグルがおとなしく王宮勤めすることにはならなそうですが。
ていうか、統治者の心構え云々の話的にやっぱり王様になるしかないような気も。
後半は、ザクスタン戦。
前代未聞の騎兵軍だけでも厄介なのにさらにアスヴァールまで・・・・・・
で、アスヴァールと言えば出てくるかな?という予想通りにタラード再登場で思わずニヤリとしてしまいました。
タラードとの交渉はちょっと都合良すぎるかな?でも、このふたりの気が合いそうにみえてピリピリとした駆け引きは楽しかったです。
ただ、さらっと書かれたことによると今後10年もザクスタンとアスヴァールは戦い続けるらしいし、もしかしたらタラードの出番は今回限りなのかもしれませんね。ちょっと残念。
そして最後の最後に爆弾投下。
グレアストとの戦いの最中にティグルとエレンが仲良く行方不明とか((((;゚Д゚))))
ティグル、お前またか!と思ってしまいましたが、一体どうなってしまうのか。
なんという鬼な引き方をしてくれたんだ!続きが気になる!!
それと今回、新しい戦姫フィグネリアの過去と現在が語られましたが、彼女が本筋のティグルたちに絡んでいく展開まではいけませんでした。
ティグルたちと合流するのは次巻以降になるのかな?
セオリー的には軍から離れて行方不明になったティグルたちを拾ってる展開もあり得そうですけど・・・・・・レグニーツァだし地理的にちょっと無理があるかな?
ガヌロンたちの動きも気になりますし、兎にも角にも次巻がとても楽しみです(`・ω・´)ノ