『引きこもり魔女の結婚 祝福は黒衣の悪魔と幽霊城で』(三国司著/一迅社文庫アイリス)★★★☆☆
引きこもり魔女の結婚 祝福は黒衣の悪魔と幽霊城で (一迅社文庫アイリス)
2015年7月刊。
人から嫌われて引きこもっていた魔女が、肩書き目当ての王子と結婚することになり、徐々に孤独を癒していく物語。
強がりで怖がりで寂しがりなヒロインがとても可愛かったです。
この魔女なら確かに怖くないw
もうちょっと糖度高くても良いよ?とか思ってしまいましたが、面白かったです。
続けようと思えば続けられそうだし、シリーズ化希望で!
☆あらすじ☆
グラミール山で相棒の箒ティッキーと引きこもり生活を送る魔女ルーナは、ある日突然求婚された!その相手は、“魔女”の肩書き欲しさにやってきた“黒き衣の悪魔”ことローナイト王子。条件付きで勝負を挑んで負けたルーナは結婚を承諾するけれど、連れていかれた先は幽霊が出る曰く付きの城。そのうえ地下墓室で婚儀を挙げることに!!幽霊は大の苦手なのに、この結婚早まった…!?最強(凶)夫婦、ここに誕生!!
以下、ネタバレありの感想です。
百年にひとりしか存在しない「魔女」として、人々に忌み嫌われ両親からも捨てられたルーナ。
人間不信状態で山に引きこもっていたルーナは、「魔女」の肩書きが欲しいから結婚しろ!と迫ってきたローナイト王子に連れ出され、幽霊城と呼ばれる王都の城で暮らし始めることになるのです。
けんか腰で始まり、けんか腰で仲良くなる、まさにケンカップルなルーナとローナイト。
イジワルなヤツ!とか思いつつも、あっという間にローナイトを好きになっちゃうチョロインなルーナはとても可愛かったですw
人恋しすぎて寂しすぎたんでしょうね。
名前呼ばれただけで好きになっちゃうとか、もう不憫すぎて・・・・・・(´;ω;`)
いやまぁ好きになった理由は他にもあるんですけど、全部合わせてもやっぱり不憫。
ひたすら不憫な人生を過ごしていたルーナが、初めて人に受け入れられてゆっくりと心を癒やしていく物語だったのだと思います。
ルーナが慣れない人の優しさに触れて赤面する姿とか可愛くて、「ああこの子には幸せになってほしいな」と思わせてくれるお話でした。
基本的に好みな物語なんですけど、「結婚」というテーマ・タイトルの割に糖度がちょっと足りなくて、そこは残念でした。
肝心のローナイトが微妙に影が薄いんですよね。
出てきても会話があまり弾んでないからかな。
最後はヒーローっぽく活躍しましたけど、中盤とかオラクルの方が目立ってましたし。ネズミは笑ったw
しかし何で「本好き→絵本を大量に贈る」って発想になったんでしょう?素直じゃないというか、可愛すぎかな??
これはもう続刊を出してケンカップルの甘い新婚生活を描くべきだと思うのですよ!!
最後に出てきたクラエス王子も掘り下げてほしいですし。
あのドSっぽい王子は、魔女に偏見のある国で苦労したからあんな性格になったんじゃないかと勝手に妄想してます。
ルーナ並に不憫な人生を歩んでそうな気がする。
良い魔女ファンタジーでした。糖度が足りないので続刊希望です!
それはさておきティッキー欲しいんですけど、どこに行ったらうちにも来てもらえるんでしょうか?私の家も全自動で掃除して欲しい・・・・・・w