不機嫌なスピッツの公式


『不機嫌なスピッツの公式〈マイルール〉』(三沢陽一著/富士見L文庫)★★★☆☆

不機嫌なスピッツの公式 (富士見L文庫)
不機嫌なスピッツの公式 (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年7月刊。
著者は『致死量未満の殺人』で第3回アガサ・クリスティー賞を受賞しデビューした三沢陽一さん。富士見L文庫の作家層がよく分からない・・・・・・。
本作は「ラブソング嫌いの音楽好きの少女が、恋愛絡みの事件を解決する」というライトミステリ。
人一倍自分のルールを貫くスピッツをめんどくさいヤツめと思いつつ、その生き方にちょっと惹かれてしまいました。
ちょっと古めの音楽ネタが多いので、そちらが好きな人ならもっと楽しめそうな気がします٩( ‘ω’ )و

☆あらすじ☆
人気バンドを由来とするあだ名で呼ばれる俺の親友―スピッツは、ありていに言えば変人だ。いくつものマイルールを持ち、誰よりも真っ直ぐで、いつも不機嫌で、小説と音楽と孤独と「謎」を愛する一方、ヘッドフォンで耳をふさぐほどラブソングが嫌いで…。そんな性格がゆえに、クラスでも孤高の存在だったスピッツのもとに、新聞部の美人部長がいくつかの「謎」を携えてやって来た。彼女の挑発に乗せられ、スピッツは「謎解き」を引き受けてしまうのだが、どの事件もなぜか恋愛に関係するものばかり!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

音楽と小説という共通の趣味を持つ素生スピッツ
物語は新聞部の妃友里が持ち込む様々な謎を(嫌々ながら)スピッツが解いていくという形で進んでいきます。

 

紅茶と恋愛

謎そのものよりも冒頭のスピッツ論が一番興味深かったり。というか、この作品、全体的にライトミステリというより音楽ウンチクの方が面白かったかもしれません。
スピッツが「スピッツ」の名曲を怒濤の如く挙げていくのですが、私「チェリー」「ハヤブサ」くらいしかメロディが出てきませんでした・・・・・・CD借りに行こうかしら。

肝心の紅茶絡みの事件については、そんなんありか!とちょっと思ってしまいました。
いくら何でもオーダーと違うものが出てきたらお金払いませんよ・・・・・・。
嫌がらせする方もする方だけど、だんまり決め込む美大生の行動も意味不明。
プライドが高いとかそういう問題かな?なんだかしっくりこない謎解きでした。

 

涙の映画券

インディアン・ポーカーする素生とスピッツが超楽しそう。恋人じゃないけど恋人でいるよりも楽しそうな関係がちょっと羨ましいです。
この短編も謎そのものよりスピッツが語る音楽論の方が面白かったなぁ(´・ω・`)

 

ばいばい、ライブラリー

誰得なマニア本を大量に図書館に仕入れるスピッツ。情熱のためにかける行動力が素晴らしいです。真似できないしちょっと迷惑
この短編はライトミステリの方も面白かったです。
カラクリ自体はあまり意外性があるものではないのですが、マイノリティーの生きづらさに初めて心を曇らせるスピッツの姿が印象的でした。

 

全体的に、ライトミステリとしては私好みではなかったのですが、音楽論が非常に興味深い作品でした。
スピッツの、ぶっちゃけて言えば思春期まるだしのマイルールはとても生きづらそうなのに、それを貫いて凜と立つ姿がなんだかとても格好良く感じました。
ああいう生き方が私にはできないだけに、余計にそう思うのかもしれませんね。

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