イレギュラーズ・リベリオン1 王者の紋章


『イレギュラーズ・リベリオン 1.王者の紋章』(尾地雫著/GA文庫)★★★☆☆

2015年7月刊。
ガガガ文庫でも新人賞を獲っていた新人さんです。すごいなー!
なかなか面白い作品でした。
留年した元エリートが落ちこぼれ部隊を立て直しながら、自分の過去と向き合っていく物語。
新旧の部隊が並行して描かれるため登場人物は割と多めなのですが、それぞれのキャラが個性的に描かれていたと思います。
徐々に明かされる主人公の過去、それに対する葛藤、そこからの奮起という流れも王道ながら読んでいて楽しかったです。

☆あらすじ☆
超自然の力を操る紋章騎士の養成学校―マーテリア騎士学院。そこに歴代最高成績で入学し、最強部隊で活躍していたハンティス=ハーミリオン。ところが、今は落第生としてドジっ子のマロンを筆頭に、問題児ばかりが揃う落ちこぼれ部隊の隊長となっていた。しかしある日、学院を揺るがす事件が勃発し、ハンティスの前に忌まわしい過去の因縁が再び姿を現す。「俺はもう逃げないって決めたんだ」元エリートと落ちこぼれたちの反撃が、いま始まる!第7回GA文庫大賞・優秀賞受賞の王道バトルファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

かつてエリートだったハンティス・ハーミリオンは今では落ちこぼれの落第生。
同じように落ちこぼれが集まった第29部隊の隊長として、最初はやる気がなかったハンティスですが、徐々に他のメンバーを教え導こうとしていきます。
一方で、物語はかつてハンティスが所属していたエリート集団・第00部隊(イレギュラーズ)に何が起こったのかを描いていくのです。

 

というわけで前半は過去と現在の二部構成。
第29部隊の問題児たちが騒いだ後には、第00部隊の優等生達の仲の良さが描かれていくのです。
部隊メンバーだけで計9人が登場しますが、それぞれが個性的でよく動いていたと思います。特に新旧ヒロイン(語弊のある書き方)のサヤマロンはどちらも異なる魅力があって可愛かったです。

 

過去と現在を交互に描くことにより生まれてくるのは、現在の第00部隊のメンバーはどうなってしまったのか?という疑問。
なぜ過去にあんなに明るかったハンティスが陰を帯びた性格になってしまったのか。
それが明かされる中盤以降から、過去と現在が混じり合って物語が展開していくのです。

 

この構成はなかなか面白いものだったと思います。
第00部隊に起こった悲劇のシーンは辛く、それだけに哀しい過去を乗り越えてハンティスが再び力を取り戻すシーンが熱く燃えました!( ・ㅂ・)و ̑̑

もっとも、この構成にするのであればもう少しページ数を足してほしかったようにも思います。
リースとの悲しい別れや彼がハンティスに託していたものは感動的でしたが、その前にもっとリースとハンティスの個人的交流を深く描いてくれていた方がより感動できたんじゃないでしょうか。
どちらかというとハンティスはリースと距離があるように思えたし、むしろ親友っぽく仲良しだったのはムスだったような気がしますし。

 

ハンティスとサヤの関係については、短いページ数ながら巧くまとめていたと思います。
特に決死の戦いの中での熱い告白は最高でしたww
そこか!いや、むしろそこですね!あそこで告白しないでいつするかって感じですねw

 

第29部隊の育成については、これからに期待します。
元々ポテンシャルが高いメンバーで、ハンティスの助言で少しは使えるようになってきましたが、まだまだ問題児の集団ですから。
今回の描写だけで落ちこぼれ返上!だとしたらちょっと物足りないものの、たぶん彼らのリベリオンはこれからです。楽しみ(*´∀`)

 

さて、今回の堕章霊が引き起こした魔人騒動は、その裏に何か陰謀がありそうでしたが、それについては次巻以降へ持ち越しの様子。
そしてハンティスの素性にも何か秘密が??彼が二つも章霊を持つことができたことには(リースの遺志があるとはいえ)他に何か理由はあったりするのでしょうか。王者の紋章ってサブタイ回収されましたっけ?

 

新人賞受賞作ならではの詰め込み方がやや気になったものの、熱量を感じる良い作品だったと思います。
サヤが加入した新生第29部隊がどうなっていくのかとても楽しみですし、健気なマロンの恋がどうなるのかも気になります。
次巻にも期待!(*゚▽゚)ノ

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