『鍵屋甘味処改2 猫と宝箱』(梨沙著/集英社オレンジ文庫)★★★★☆
前巻の感想はこちらから
2015年6月刊。
ノラ猫女子高生と無愛想な鍵屋さんの日常を描くシリーズの第2弾。
今回も面白かったです。コメディありシリアスありの連作短編形式も変わらず。
ラブ方面については・・・・・・この微糖具合がたまりません(⌒~⌒)
☆あらすじ☆
冬休み、母とケンカをして家出した女子高生こずえは、ひょんなことから鍵師の淀川と知り合い、彼の家で数日間の居候生活を送った。今は母とも仲直りし、週末だけ淀川の仕事を手伝いに行っている。かつての依頼人から謎の荷物が届いたり、こずえを心配する母・夏帆がこっそり様子を見に来たり、必死の形相で女の子が飛び込んできたり―鍵屋は今日も忙しくて…?
以下、ネタバレありの感想です。
第1章 猫と宝箱
鬼の霍乱。淀川さん、風邪を引く、の回。
病人と言うよりゾンビっぽい淀川さんに笑ってしまいましたw
そして結婚式での機転は相変わらずカッコイイです。
第2章 フォトグラファーの心痛
こずえのママ・夏帆が主役の変わり種な短編。めっちゃ笑って今回1番好きなお話でしたw
ストーカー×2+ストーカーのお話。
早川さんは淀川さんのことが本当に大好きですねw リスペクトしまくってるのに素直じゃなくて可愛い。
しかし、女子高生な娘が若い男の一人暮らしに転がり込んでるんですから、母としてはもっとイヤがっても良いような?前巻のことがあるから、色んな意味で負い目があるんでしょうけど。週末のたびに置いて行かれるママンがちょっと可哀想でした。
第3章 赤い鍵
ズシンと重いエピソード。
小学生の女の子が持ち込んできたのは子猫が閉じ込められた手提げ金庫で・・・・・・というお話。
最初は虐待+自傷行為だと思っていたのですが、自傷行為だけというのが余計にキツいです。いえ、ネグレクトも十分に虐待ではあるんですけど、それが一応は止んだあとも自傷行為がエスカレートしているというのが。
彼の自傷行為の代償にされてしまった子猫はあまりにも可哀想でしたが、少年の心の闇が取り払われたのはホッとしました。
淀川さんもこずえも本当に面倒見がいいですよね。
重い内容でしたが、最後のシーサーでちょっとほっこりできました。
終章 未来の家
雪がこのまま鍵屋で飼われるなら2匹目の猫ちゃんですね!(違
今回は、こずえ自身が解錠の技術がないことにヤキモキしているシーンが多かった気がします。もしかして鍵師を目指したりするんでしょうか。でも彼女にはカメラがあるしなぁ(お母さんが寂しそうだからカメラマンを目指してほしい気もする)
今回も面白かったです。
3巻も出て欲しいなぁ(´,,•ω•,,)♡