成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩


『成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩』(ハヤケン著/HJ文庫)★★★★☆

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩 (HJ文庫)
成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩 (HJ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年7月刊。
うつけの「屑星」と侮られてきた皇子が、破滅の未来から帝国を守るため、黄金の志と野心を胸に反撃を開始するファンタジー戦記。
これは期待できそうです!
1巻はまだスタート地点に立ったところですが、ストーリーもキャラもとても魅力的。
そして個人的には、主人公が他国に婿入りし、そこを地盤として祖国を救おうとする、という設定がとても面白く感じました。
戦争をして滅ぼすことが目的じゃないために、力押しだけじゃなく政治的駆け引きを駆使しなければならない。
その絶妙な綱渡りが楽しい作品でした。

☆あらすじ☆
大陸全土の統一を目論む大帝国に生まれし第五皇子ラウル。彼は国家の象徴たる宝具を扱えないという欠陥から【帝国の屑星】と見下される存在であった。それでも腐らずに自己鍛錬を重ねたラウルは、やがて政略結婚の駒として、小国の美しき姫君の下へ婿入りするのだが――それこそが反撃の狼煙。今ここに、少数精鋭を従えた屑星の快進撃が始まる!

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公ラウルは、帝国の皇子でありながら星神器を扱えない「屑星」として皇位継承権を認められずに侮られてきた皇子。
兄たちに軽んじられ、困窮にあえぎ、簡単に命を奪われかねない生活をしてきたラウル。
しかし、彼は偉大な黄金皇帝と黄金を継ぎし第一皇子の「黄金の志」を受け継ぐことを誓い、軽薄を装いながら反撃の機会を狙っていた野心の男だったのです。

 

そんなラウルが、政略結婚のために小国エルラーンに婿入りするところから物語はスタート。
次期女王の王婿が主人公って珍しい気がします。
何の後ろ盾も持たなかった皇子が初めて手に入れたのが嫁の国の力。
エルラーンを足がかりに、ラウルは内部分裂しかねない帝国の未来を救うため、そして幼き姪っこ皇帝を守るために立ち上がるのです。

 

優しいだけじゃない、冷徹な策略家の顔を持つラウルにゾクリとしました。
ボウテングが人間のクズだったのでそこまでイヤな気持ちにはならなかったものの、実の兄を最初から殺すつもりで策にはめ、泥を被せて殺害ってなかなかにハード。
元からメチャクチャ憎んでいたので全然堪えてはいないみたいですが(;・∀・)

 

ヘラヘラ笑ってるけど、目的のために手段を選ばない怖い人。
ですが同時に滾るような熱さもあるのが格好いい。
バルカとの決闘を経て志を訴える流れは最高でした!

 

ラウルの当面の目標としては、宰相と軍元帥の正面衝突を避けるための第三勢力に自分がなること、でいいのかな。
政争の末に命を奪われかねない姪を守り、迷走する帝国を本来の形に戻す。
そのための力をつけていく物語なのでしょう。

 

帝国を滅ぼすのではなく、あくまで救うために戦う。
帝国が無駄に疲弊しないようにバランスをとらなければならず、そのためにラウルは策謀を巡らし、政治的な駆け引きを駆使するのです。
これがとても面白い。
今回は敵が小物すぎて最初から最後までラウルの手のひらの上でしたが、レイノルズアイヴァーはそう簡単にはいかないはず。楽しみです。

 

しかし、終着点はどこになるのでしょうね。
帝国の勢いを保ったまま軌道修正するとなれば、二大派閥を潰せばいいという簡単な話ではないでしょうし。
他国の侵略も考えると帝国の力を削いではいけないわけですから。
そういえば、民主主義な思想が出てきましたが、まさかそこまでやるつもりだろうか・・・・・・。

先行きは不明ですが、まだまだスタート地点に立ったところ。
屑星皇子の今後の快進撃が楽しみです。

 

そうそう、恋のほうはどうなるんでしょう?
婿入りということで夫婦ラブ的なものを期待していたのですが、話はそんなに単純ではなさそうです。

妻となったルシエについては、初恋の人の正体が予想通りだったのでデレるのも当然の成り行き。
ベタだけど好きですよ、こういう展開( ・ㅂ・)و ̑̑
初夜の夢は笑いましたがw ちょっとビックリしたww

 

気になるのはもうひとりのヒロインマリーベル
最初は姉弟みたいな感じなのかなー?と思っていたのですが、予想以上に愛が深くて切なくなりました。
志と恋を天秤にかけて、ラウルのために自分の恋を捨てたマリーベル。
なんて健気なんだ・・・・・・っ(´;ω;`)
ラウルは婿なのでハーレムエンドは難しそうですが(皇帝になるのなら有り得る?)、マリーベルの想いが少しでも報われるといいな。

 

肝心のラウルの方は、自分の勢力を作るために必死で、まだまだ恋をする余裕はなさそうです。
マリーが語っているように、彼には志を貫く道しか見えていないのでしょう。
ヒロインとの絡みのときに、ほとんど彼の内心が描かれていないのもそういうことなんじゃないかなー、と思ってます。

 

期待のファンタジー戦記でした。
次巻も楽しみです!ヾ(*˙︶˙*)

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