『薬屋のひとりごと3』(日向夏著/ヒーロー文庫)★★★★☆
前巻の感想はこちらから
2015年6月刊。
後宮で大活躍する薬毒マニア猫猫の事件簿第3弾。
今回も安定の面白さでした。ほんとこのシリーズ大好きです。
ラストはニヤニヤが止まりませんでしたーッε٩( ºωº )۶з
☆あらすじ☆
玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた猫猫。皇帝の寵妃ということもあって、それは秘密厳守。しかし、女たちの腹の探り合いは日常茶飯事で、後宮内だけでなく外部からも怪しげな動きが見え隠れする。後宮外では壬氏たちが隣国の特使の要求に頭を悩ませていた。特使たちは、数十年前にいたという妓女、それが見たいと無理難題を言ってきたのである。花街の事情に詳しい猫猫に相談を持ちかけてくるが、それは意外な人物だった。猫猫はその美女にかわる絶世の美人を用意することとなる。また、猫猫は避暑地へ行く壬氏に同行することに。そこで待っていたのは―!?
以下、ネタバレありの感想です。
壬氏、やっと表紙に出たのに・・・・・・女装・・・・・・ッ!!(´;ω;`)
そんな壬氏の楽しい女装劇も含めた第3巻。今回も連作短編集的でした。
前巻からモヤモヤさせられた後宮内の不穏な動きが今回も続き、黒幕については次巻以降に持ち越し。
玉葉妃だけでなく梨花妃も妊娠が発覚したのは良いのですが、そんな彼女達へ恨みを抱く女官に毒を渡した者の正体は分からないまま。
隊商が持ち込んだ品々や、壬氏を狙った拳銃の出所についても分からずじまいですね。焦らすなぁ( ー̀εー́ )
ただまぁ、トラブルが起こりそうになる度に猫猫がすばやく嗅ぎつけるので、猫猫さえいれば大事にならないとは思いますけど。
猫猫、マジ有能。
そういえば猫猫が知り合った女官の子翠。
何かあるかなー?とか思っていたのですが、今回はただの虫愛づる女の子ってだけでした。
でもまだ何かあるんじゃないかってこっそり疑ってます。
今回大きく動いたといえば、やはり壬氏関連でしょう。
前回が猫猫の話でしたから、今回は壬氏の話になるのは当然ですよねっ(?)
とはいえ、分かったのは壬氏が皇弟であることと、実は宦官じゃないよってことだけなんですけど。
いやむしろ猫猫が(無意識に避けてたとはいえ)今まで気付いてなかったのがおかしい。
そして「そこそこの蛙」には笑いましたwひどいw
壬氏は猫猫を具体的にどうするつもりなんでしょうね。
命が狙われているのは皇位継承権に絡んだ政争のせいだと思うのですが、そこに猫猫をどこまで引きずり込むつもりなのか。
妃にするの?
絶対すごい嫌そうな顔で断られそう。いやでも薬で釣れるか・・・・・・?
猫猫と壬氏がどうなっていくのか読めませんが、牛歩であってもふたりの関係は進んでいるようなので温かく見守りたいです。
今回ニヤニヤするシーンがたくさんあったので、壬氏がもうひと頑張りすれば結構イケるんじゃないかと思ったり。
滝壺に落ちた後の洞窟のシーンとか、戸越しに背を向けて話をするシーンとか。
まぁオチはアレですが。さすが猫猫。ぶれない。
猫猫と壬氏のラブコメににやついてしまいましたが、このシリーズの毒気は今回もばっちりありました。
壬氏の生い立ちに絡めて先帝と皇太后の話。
これが予想以上にドロドロとしたものだったのです。
「ロリコンおやじにあそばれた少女」というイメージがこうも覆されるとは。
恐ろしきかな後宮の女(((゜Д゜;)))
本当に後宮というところは、華やかに毒々しい世界ですね。
そんな本当は怖い後宮の世界で、マイペースに生きていく猫猫の活躍に今後も期待です。
今回もとても面白かった!
4巻はいつだろう。楽しみですヾ(*˙︶˙*)