青雲を駆ける1


『青雲を駆ける』(肥前文俊著/ヒーロー文庫)★★★★☆

2014年11月刊。
とても面白かった!
野鍛冶の青年が知識以外の記憶を失って異世界トリップ。
青銅器メインな村の暮らしを鍛冶師の技術で豊かにしていく物語です。
生活に直結した様々な道具を生み出していく主人公の器用さに驚きました。鍛冶師すごい・・・・・・
鍛冶シーンの読み応えはたっぷり。鍛冶工程の描写が丁寧で読みやすかったです。
異世界ファンタジーというよりは職人モノとして楽しめた作品でした。
キャラも素敵で満足です( ・ㅂ・)و ̑̑

☆あらすじ☆
現代日本で希少な野鍛冶の技を持つ男・エイジが異世界に転生。そこは貧しく、技術は未熟な異界だった。エイジは美しい未亡人のタニアと一緒に暮らす。近所に住む猟師や大工などの村人に助けられながら、鍛冶師として働くため、エイジは村の試練を受けることになる。何一つ設備も材料もない状態から、三ヶ月で作品を作り上げ、村の役に立つと認めさせる必要があった。エイジは村の一員として認められ、精力的な活動を続けていく。しかしエイジの技術は領主から目をつけられてしまう。生きて帰ってこられない、と忠告を受けながらも、労役という義務を果たすため、エイジは単身領主の町に向かった―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公エイジは、現代日本で野鍛冶の父に師事する鍛冶師だったはずが、気付けば記憶を失い異世界へ。
未亡人タニアの世話になりつつ、エイジは鍛冶の知識と技術で、貧しい村の生活を少しずつ変えていくことになるのです。

 

まず、野鍛冶って何だろう?ってところからだったのですが、生活用品や農具的な刃物を作る職人さんのことを言うんですね。
だとしても、エイジの博識&器用さはもはや何でも屋の領域にあるような気がします。もしくはドラえもn……

 

それくらいエイジは本当に何でも作れるすごい人でした。

 

まず炉を作る煉瓦から自作しちゃうのにビックリ。
鍛冶道具もないゼロからのスタートとはいえ、ものつくりに携わる人ってどこでも生きていけるんだろうなぁーと感心してしまいました。

そうして一つ一つ道具から手作りしたエイジの、渾身の鍛冶シーンの読み応えはとにかく素晴らしかったです!
読んでいるだけで鍛冶場を見学している気分になれるほど。
というか、こういう本を読むと実際に見学してみたくなりますね。
鍛冶の工程なんて、間近で見たらすごい迫力がありそうです(; ・`д・´)

 

鍛冶だけでもすごかったのですが、エイジは鍛冶技術以外の知識も豊富。
専門の知識を学ぶために大学を卒業しているということだったので、野鍛冶の周辺知識が自主的に学んでいたのかもしれませんねぇ。

 

それにしても農業改革を考え始めた当たりで「鍛冶師よね!?」と真剣に考えてしまいましたw

エイジ本人が自分で思っていることですが、発想が為政者向きな気がします。
物語が進めば村長の仕事を手伝うのだろうし、もっと為政者っぽいことをしていきそうです。それも楽しみ。

 

石けんを自作できるのもすごいですよねぇ。
ブラまで作ったのにはちょっと笑いましたが( ´ ▽ ` )

 

そんな何でも作れるドラえ●ん状態なエイジを支えるのが、夫を亡くし一人きりで暮らしていたタニア。
未亡人と言っても少年向けラノベのヒロインなんで、まぁ、そこはね?
タニアの幸薄そうな雰囲気が気がかりだったのですが、早い段階で結婚してくれて大満足です!
やったー夫婦モノだ!!ε٩( ºωº )۶з

 

お互いにお互いを大事にしようとする誠実さが伝わってくる、とても素敵な夫婦でした(´,,•ω•,,)♡
それだけに、元の世界へ帰還せず、村でタニアと生きていくことを決意してくれてホッとしました。
まぁ、残されたお父さんはちょっと可哀想ですが・・・・・・

 

さて、青銅器が主流という文明レベルにある世界で、現代の鍛冶師であるエイジは様々な先進技術を人々にもたらしていきます。
そうなると、当然の結果、とても目立つ

 

終盤は領主ナツィオーニに目を付けられたエイジが、村から引き離されてしまうというピンチに陥ってしまいます。
が、そこでもエイジはエイジ。
村長に「目立つな」ってあれだけ言われてたのに、率先して便利なモノを作っていく姿とか、ほんとに根っからの職人なんだなぁと笑ってしまいました。

 

妥協を許さず、人々の幸せを第一に考えるエイジの誠実さがとても素敵でした。

 

異世界ファンタジーというよりは、良いお仕事小説を読んでいる気分になれる作品でした。
とても面白かったです。
近日発売予定の第2巻も楽しみですヾ(*˙︶˙*)

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