『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8』(大森藤ノ著/GA文庫)★★★★☆
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8 (GA文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
2015年6月刊。
3か月連続刊行のトリのはずが、衝撃の500ページ超え。
日常編ということでしたが、実質短編集ですね。
それも、主要メンバーの「恋」に焦点を当てたお話!
コレコレ。こういうの読みたかったんですよー(´,,•ω•,,)♡
☆あらすじ☆
──王国(ラキア)軍出兵。軍神アレス率いる王国軍の突然の来襲。迷宮都市へ進撃する軍勢その数、三万。迫りくる軍靴の音に、オラリオは──何も変わらなかった。
「せっかくだし、たまにはベル君達には羽を伸ばしてもらうさ」
強過ぎる冒険者達の手によって市壁の外で侵略者達の悲鳴が上がる中、オラリオは平穏な日々を過ごしてゆく。小人族(パルゥム)の求婚、愛しのボディガード、街娘の秘密、神々への恋唄──そして女神が紡ぐ愛の歌。神と子供達が送るささやかな日常編!
「ボクはずっと君の側にいるよ、ベル君」
これは、少年が歩み、女神が記す、── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──
以下、ネタバレありの感想です。
軍神アレス率いるラキア王国軍侵攻により、ロキ・ファミリアをはじめとする迷宮都市最強派閥が都市外で立ち向かうなか、都市内部ではいつも通りの日常が繰り広げられている、という第8巻。
一章 とある武神への恋歌
トップバッターは命。
タケミカヅチのタラシぶりに笑ってしまいましたw
うーん、あとに出てくる恋愛観的に、命の恋はうまくいきそうにないのがちょっと寂しいですね。
それにしても、やっぱり命がヘスティア・ファミリアにいるのは期間限定なのかぁ。分かってはいましたが、愛着が出てきただけにこれもまたちょっと寂しい。
二章 パルゥムの求婚
まさかのフィン参戦(?)
フィンとリリを結びつけて考えたことがなくて、かなり意外な展開でしたw
そして40代だったのか・・・・・・
大人なフィンの対応は格好良かったですが、それをフッてでもベルと一緒にいると決めたリリの健気さとラストの妖艶さに胸を撃ち抜かれました。
三章 とある鍛冶神への恋歌
ヴェルフ・・・・・・そうだったのか(;・∀・)
乙女と女神を行き来するヘファイストスにニヤニヤしつつ、【不冷】の二つ名に腹筋崩壊w
四章 愛しのボディガード
エイナさん!
私は断然ヘスティア派ですが、アイズも捨てがたく、お姉さんなエイナさんも最高です。
あの「大好き」のネタがここで掘り返されるとはww
五章 街娘の秘密
シルの休日を追跡・・・・・・という方向に向かって何だかドキドキしながら読んだ短編。
アニメを見ていて「あれ?シルってフレイヤとそっくりじゃない??」とか今さらながら思っていたのですが、ここにきてハッキリと2人に何らかの関係性が匂わされてきました。
んー、でも最後のフレイヤとアレンの会話を見る感じ、「シル=フレイヤ」というわけでもない??
よくわからないです(´-ω-`)ここらへんの謎は持ち越しかなー?
六章 とある女神の愛歌
待ってましたヘスティアのターン!
今回一番お気に入りの短編です。
ベルがヘスティアをどう想っているのか(ヘスティア派としては)心配だったのですが、「神の愛」から無意識に逃げていたってことは、ヘスティアの気持ち自体はちゃんと伝わっていたってことですよね。
「神の愛」が意味することを、ベルなりに真剣に悩んだからこそのラストシーン。
喪失感を与えて神を残して逝くことを怯えるベルへ、ヘスティアが包み込むように伝えた言葉がとても素敵でした。
これで一線を引いているようにも見えたベルとヘスティアの関係も変わっていくのでしょうか。
涙腺が壊れる。涙が止まらない。恐れていた何かが心の中で溶かされていく。
家族、恋人、伴侶、愛。この気持ちが何なのかわからない。
神様へのこの想いが一体何なのか、全然わからない。
わからないけど、僕は、その想いを口にしてしまった。
「神様っ・・・・・・僕はずっと、神様と一緒にいたいですっ・・・・・・!」(495頁)
このモノローグ気になるなぁー。アイズ有利に見えた三角関係の行く末が、これでちょっと分からなくなったような気がします(∗•ω•∗)
まぁ作風的に三角関係に決着がつくことはないのかもしれませんが、ここで「神と人との恋」というものを真正面からちゃんと向き合ってくれて満足しました。
エピローグでは不穏な何かを生み出しつつ、ここで第二部完結。
第三部が始まる9巻は9月発売ということで、このハイスピードっぷりに頭が下がります。
次巻もとても楽しみです!ヾ(*˙︶˙*)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8 (GA文庫)
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