『レイデ夫妻のなれそめ』(山咲黒著/ビーズログ文庫)★★★☆☆
レイデ夫妻のなれそめ (ビーズログ文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
2015年6月刊。
互いに秘密(本性)を隠してきた夫婦が、その秘密を知り、恋をする物語。
世間知らずなヒロインのズレた言動に笑ったり、愛が暴走しがちなヒーローにニヤニヤしたりと楽しいお話でした。
魔物が出てくるようなファンタジー色強めのストーリーも面白かったので、ぜひ夫婦モノとしてシリーズ化してほしい新作でした( ・ㅂ・)و ̑̑
☆あらすじ☆
『完璧な夫婦』と評判のレイデ伯爵夫妻。妻リナは愛らしい淑女、夫ザイラスは優しい紳士だ。だが、リナは夫に“秘密”がある。その“秘密”のために訪れた下町で、リナは夫を見かけた。何故こんなところに彼が? 夫を追うリナは路地裏で物盗りに遭い――「てめぇ、俺の女に気安く触るんじゃねえ」リナを助けたのは、普段とは別人の粗暴で口の悪い夫! 彼は一体、何者なの!?
以下、ネタバレありの感想です。
優しく紳士的で優秀な夫。可愛らしく従順で大人しい妻。
そんな「完璧な夫婦」であるレイデ伯爵夫妻ですが、それは秘密の上に成り立った虚構の姿だったのです。
妻であるリナレーアは「冒険」に憧れる強度に夢見がちな本性をひた隠しにしてきたお嬢様。
リナはかなり面白いキャラクターでしたw
妄想のたれ流し先が新聞のコラムというのも個人的にツボをついて面白かったですが、その後の一連の騒動でも全く動じないのがすごい。
魔物絡みだけ好奇心が恐怖に勝ってるのかな?と思ったものの、よく考えたら物盗りに遭っても似たような対応してたし、根っから恐怖心が薄い子なのかもしれません。
世間知らずって怖い(((゜Д゜;)))
好奇心が刺激されると鉄砲玉みたいに飛び出すリナ。
そんな彼女をハラハライライラしながら守るのが夫であるザイラス。
彼もまたリナに対し、孤児であった過去や「魔物使い」である現在を隠してきた男でした。
秘密を抱えた夫婦がそれを互いに打ち明けたとき、初めて恋が始まる・・・・・・というのは素敵ですよね。
まぁ恋が始まったのはリナだけで、ザイラスは最初から愛が暴走しがちなんですが。
冒頭の監禁発言からヤバそうな雰囲気を醸し出してましたが、終盤は愛が垂れ流し。
砂糖吐くってレベルじゃねぇ!
何かを喋るときは妻を愛でなければならない、というマイルールでもあるのでしょうか。
なんなんだ、この男超面白いな。
それはともかくザイラスの下町口調(?)が微妙に違和感があって残念でした・・・・・・何でだろう?(;・∀・)
そんな面白い可愛いレイデ夫妻の物語でしたが、ストーリーも良かったですね。
「魔物使い」と「魔物解放団」という設定が好み。
完全な敵対関係というよりは、牽制し合って緊張状態という感じなのでしょうか?
魔物自体についても、掘り下げれば面白くなりそうです。
シリーズ化してほしいなぁ。
クセ者っぽいお兄ちゃんも良かったんで、たぶんもっとクセ者っぽい王様にぜひご登場いただきたい。
箍が外れてしまったザイラスのその後もまだまだ見たいですしねw
というわけで続編待ってます!(*´∀`)
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