D9 聖櫃の悪魔操者3


『D9 ―聖櫃の悪魔操者―Ⅲ』(上野遊著/電撃文庫)★★★★☆

D9―聖櫃の悪魔操者― (3) (電撃文庫)
D9―聖櫃の悪魔操者― (3) (電撃文庫)

2015年6月刊。
1年ぶりの新刊にして、最終巻。
2巻で物語を壮大に展開させたため、あと1冊じゃまとめきれないんじゃないか・・・・・・という不安は杞憂でした。
最終巻は息つく暇もない怒濤の展開でとても面白かったです。そして綺麗に完結してくれました。
もう少しシリーズを続けてくれたら嬉しかったのですが、予想外に砂糖たっぷり吐けたので満足です←

☆あらすじ☆
悪魔憑きの少年ソーマと少女悪魔メルヴィーユ。二人は旅の仲間ファムにいざなわれ、“箱船の守り人”のアジトを訪れる。しかしそこは、何者かに壊滅させられた後だった―。襲撃者は、世界を守るはずの教会の人間。ソーマは、信じてきた教会の闇を暴く決意をする。一方聖都では、教皇ディアドラが世界の滅亡を予見。箱船が人々を救うとし、民衆を街へと集めていた。果たして古の伝説“箱船”は、人々を救うのか、それとも滅ぼすのか。人と悪魔の最後の戦い。ソーマとトーマ、因縁の兄弟の邂逅。すべては教会の総本山、聖都で決着する―!少年と少女悪魔の世界を救う旅、堂々完結!

以下、ネタバレありの感想です。

 

前巻までの内容がさっぱり思い出せないなぁとか思っていたので、冒頭でたっぷりあらすじが書いてあって嬉しかったですw

 

ファムと共に訪れた「箱船の守り人(ネフィリム)」のアジトで、教会による不条理な大虐殺を目撃したソーマ。
そこから、ソーマは教会が復活させようとする「箱船」への疑惑を知り、箱船復活阻止のためにネフィリムの生き残り達と共に聖都に乗り込むことになるのです。

 

前回で創世神話に絡めて世界観を大きく展開した本作。
最終巻でも、「人類の祖先となる生物の不在」やら「悪魔は人間が作り出したもの」などなど、創世神話と旧時代について深く深く突っ込んでいきます。

 

終末の到来に加えて兄トーマとの決着もつけなきゃいけないわけだし、これ1冊で終わるの?とちょっと不安になってしまいました。

 

結論から言えばほぼ杞憂でしたが。

 

「黒い蛇」をラスボスとし、トーマが彼女の手のひらで踊らされていただけの哀れな人間だったということが明らかになることで、最終決戦の構造はかなりシンプルなものへ。
その分、神話に隠された真実を明らかにすることへ集中できたのが大きかったのでしょう。未回収の伏線とかはほとんどない(私が忘れてなければ)、綺麗にまとまったラストだったと思います。

 

ただ、やっぱり3巻で完結するのは勿体ないなぁと思う気持ちも。
ファムはもっと掘り下げてほしかったですし、彼女を通してネフィリムとの連携感もほしかったです。
トーマも、ソーマにとって旅の最大目的だっただけに、登場・衝突からの即退場はちょっと寂しかったですし。

 

面白かったのになぁ。売上げが芳しくなかったんだろうか。

 

まぁ、物語の本筋はきっちり全うしているので、打ち切り感はそこまで強くないですけどね。
俺たちの戦いはこれからだエンドじゃなくて心底ホッとしましたw

 

それになんといってもソーマとメルの最後のいちゃラブカップルぶりに満足しましたしね!!
可愛いなぁ、このふたり。
前からこんなんだったっけ?(うろ覚え)

 

悪魔を殲滅するためにメルが「黒い小箱」を破壊すると決心し、そこに至って初めてソーマとメルの想いが通じ合ったあのシーン。
とても最高でした・・・・・・オチに吹き出しても、やっぱり最高でした(・∀・)

 

周囲に砂糖吐かせるバカップルと化したふたりは、そのまま今度は目的のない旅に出るのです。
希望と未来に輝くラストシーンに、この作品を読んで良かったと改めて思いました。

 

とても良い作品でした。
上野遊さんの次回作も期待しています(^^)/

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。