下鴨アンティーク1 アリスと紫式部


『下鴨アンティーク アリスと紫式部』(白川紺子著/集英社オレンジ文庫)★★★☆☆

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)
下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年1月刊。
京都と着物をテーマとした、少し不思議系ライトミステリ。
もっともミステリというよりなぞなぞみたいな、そういう茶目っ気のある作品でした。
出てくる着物の柄も様々なら、そこに込められた思い出も様々。
祖母が遺した着物とその持ち主たちの未練や心残りを、主人公は知恵を振り絞って解き放っていくのです。
2巻も近日発売なので、続きがとても楽しみです。

☆あらすじ☆
アンティーク着物をめぐるミステリー。京都、下鴨――。高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。両親を早くに亡くし、兄の良鷹と、准教授をしている下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。アンティーク着物を愛する鹿乃は、休日はたいてい、祖母のおさがりの着物で過ごす。そんなある日、「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまう! すると、次々に不思議なことが起こって…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は京都の女子高生・野々宮鹿乃
彼女は下宿人の大学准教授・八島慧と、実兄良鷹と共に、亡き祖母の倉に遺された不思議な着物を管理していくことになります。
鹿乃が不思議な着物を通して、その持ち主達の思い出を知り、心残りや未練を解きほぐしていく、というのが本作のストーリー。

 

アリスと紫式部

鹿乃が亡き祖母芙二子が遺した不思議な着物の存在を知ることになる最初のエピソード。
変わってしまった柄に込められた想いとは?という話そのものも面白かったのですが、どちらかというと鹿乃と慧の源氏物語談義の方が楽しかったりw
源氏物語って、現代風にバッサリ切って捨てるとなんであんなに笑えてくるんですかね。そこが古来からずっと人気の秘密なのでしょうけど。
脇役達の人間味がありすぎて、感情移入しやすいんだよなぁ。光源氏はアレですが。

 

牡丹と薔薇のソネット

一番洒落ていたエピソードでした。教養人の恋って文学的。めんどくさい
時代ゆえに引き裂かれてしまった恋人たちの想いをつなげる話ではあったんですが、最奥に隠された富喜子の嘆きがとても切ない。
そういう時代だから、家のためだから、生きている世界が違うから。
そんな聞き分けの良い言葉で終わりにしてほしくなかったんでしょうね。
実際に駆け落ちしたいとかではなく、言葉だけでも諦めてほしくはなかったんじゃないかな。
単純に引き裂かれたこと以上に哀しい恋の物語でした。

あと、薔薇の花をさくっと渡してくる男は肉食系だと私も思うな!

 

星月夜

なんだか一番少女小説っぽくてニヤニヤしてしまう短編でした。
祖母の残した宿題に挑むお話でしたが、祖父母の恋物語が可愛すぎて好みすぎて・・・・・・⁽⁽꜂(꜀(⑉ˎДˏ⑉)꜆₎₎
これで1本書いてくれたら喜んで読むんだけどなー?

誂えた着物もやっぱり恥ずかしくて分かりづらいものにしたのに、あっさりバレてるおばあちゃんが可愛すぎでしたw

 

それぞれの短編に文学との絡みを入れたりする、なかなか読み応えのある面白い作品でした。
鹿乃と慧の関係についてはまだまだこれからって感じかな?慧にはまずお父さん気分から脱却してもらわないと。

2巻も楽しみですヾ(*˙︶˙*)

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