蝶よ毒よ 邪悪な獣の正しい飼い方


『蝶よ毒よ 邪悪な獣の正しい飼い方』(山本瑤著/集英社コバルト文庫)★★★★☆

蝶よ毒よ 邪悪な獣の正しい飼い方 (コバルト文庫 や 6-44)
蝶よ毒よ 邪悪な獣の正しい飼い方 (コバルト文庫 や 6-44)

2015年6月刊。
面白かったーーッ!!
悪戯が大好き。人の嫌がることは進んでやる。
そんなひねくれ者の王女様が、悪名高き氷狼公から求婚(という名の屈服)を引き出そうと、あの手この手で頑張るお話です。
嫌われることに慣れきったヒロインの強気は、張り詰めすぎていてハラハラしました。コミカルだけど切ない。
彼女と氷狼公との絡みも良かった。ヒロインが攻めているはずなのに、警戒心の強い臆病な子猫が恐る恐る狼にすり寄っていくようにも見えてきて、それが本当に可愛いんです。
続きが読みたい!ぜひシリーズ化してほしい新作です( ・ㅂ・)و ̑̑

☆あらすじ☆
絶対、あなたに求婚させてみせる!!悪戯好きで魔女と忌み嫌われ、ルブラン王国を追放された王女・エミリエンヌは残忍な氷狼公と悪評高い辺境伯ラファエルに花嫁として召し出されるがすえなく拒絶される。ラファエルを屈服させるため、エミリエンヌは意地でも彼を求婚させると決心し・・・・・・!?タイムリミットは一ヵ月。求婚したら負け!極悪公爵VS性悪王女、激辛×激甘ラブバトルのはじまり!

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔性を象徴する容姿のために忌み嫌われ、幼い頃から存在を消され幽閉されてきた王女エミリエンヌ
そんな生い立ちが彼女を歪めたのか、悪戯好きで人の嫌がることを進んでやりたがるひねくれ者に成長したエミリは、ついに国外へと追放されることになってしまします。

 

あわや尼僧院、というところで魔性を肯定する唯一の国・ドライデン王国の公爵ローランドに拾わたエミリは、ローランドと女王の差し金により花嫁として辺境伯ラファエルと出会うのです。

 

問答無用で拒絶するラファエルから、エミリが引き出したのは期限1か月とする求婚を賭けたゲーム

 

そしてそれは、エミリエンヌが自分の運命と向き合うために必要となる最初の試練なのです。

 

ただ魔性の容姿を受け継いでいる、それだけでいつでも殺されかねなかったエミリ。
自分の過酷な運命を嘆くのではなく、自分自身から逃げ出さないために、自分自身を受け入れるために、どこまでも戦い、生き抜こうとするエミリは本当に格好いいヒロインでした。

逃げればいいと言うラファエルに対して、「生きる覚悟」を示して反論する姿は本当に気高い。
それでいて、あまりにも張り詰めすぎて、ふとした瞬間にポッキリ折れてしまいそうな儚さを抱えている姿がとても印象的でした。

 

特にエミリの心の傷が浮き彫りになるのは、後半で召し使いたちの好意を感じ取ってから。
彼女の目的からすれば屋敷の人間を味方につけるのは有利なはずなのに、エミリは好意を向けられるのに戸惑い、拒絶するのです。
愛情に慣れていないのか、それとも、かつて叔母や犬を奪われたときのようにそれを失うのに怯えているのか。
「嫌われたい」と呟く彼女の寂しさが文面から滲み出てくるようでした。
本当は優しい子なのになぁ・・・・・・(´・ω・`)

 

エミリのそんな態度はラファエルに対しても同じ。
あの手この手でラファエルを屈服させようとするエミリ。
初夜作戦やイチャラブ作戦は王女様なのに体張りすぎだし、縛り付けて蜂蜜塗りたくっての犬責めには笑ってしまいましたw
それなのに、色々仕掛けるちょっかいが成功して、ラファエルが実際にこっちを向いたらサッと毛を逆立てるのです。子猫だ。懐かない子猫がおる・・・・・・

 

ラファエルも身の内に狼を飼っている厄介な事情持ちですが、エミリに比べれば彼の方が素直だったような?
エミリへの関心が好意へとゆっくり変わっていく姿にニヤニヤしてしまいました。ラファエルとエミリの会話はテンポが良くてかなり好みでした。
最後の求婚のシーンは、楽しそうにエミリを抱いて笑うラファエルがとても素敵です。挿絵がほんとに良い仕事をしてくれています。

 

エミリとラファエルの勝負はエミリの勝ちということで終わりましたが、物語的にはこれからですよね?
ナルヴィがエミリを「太陽の乙女」と呼んだ理由とか、ギルバートの正体とか。
ナルヴィがギルと双子だとしたら、ギルはナリ?

 

遠隔操作で嫌がらせしていたローランドのことももっと掘り下げてほしいですしね。

 

というわけでシリーズ化を超希望します!続きが読みたい!(´,,•ω•,,)♡

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