グリモアコートの乙女たち


『グリモアコートの乙女たち』(雨木シュウスケ著/講談社ラノベ文庫)★★★☆☆

グリモアコートの乙女たち (講談社ラノベ文庫)
グリモアコートの乙女たち (講談社ラノベ文庫)

2015年6月刊。
個人的にはレギオス以来の雨木シュウスケ作品です。
魔女が通う女子校に、ある目的のために女装して潜入した男性主人公。
この設定から想像がつくような展開はほぼなく、どちらかというと百合っぽいというか少女小説的な雰囲気を感じる物語でした。
復讐譚のシリアスな雰囲気を、女の子達の友情の華やかさで和ませつつストーリーは進みます。この巻も面白かったのですが、まだ序章という感じですね。
和洋折衷な魔法と「グリモアコート」という道具の設定も面白かったですし、今後の展開に期待したい新作です。

☆あらすじ☆
グリモアコート―日本で誕生した、西洋の魔女から独立した存在である大和魔女のみが着用することができる最高峰の万能魔法具だ。常夜坂女学院は、大和魔女の素質がある少女が集まる学院である。眩星織音は、とある目的のため、この学院に男であることを隠して入学することになった。だが、ともに入学するはずだった姉の綾音が、急遽来られなくなってしまう。女生徒たちの中で、時には女子の制服を着て日常生活を送り、時には黒衣のグリモアコートに身を包んで調査を行う織音。しかし、クラスメートの少女・千輪環に、男であることがバレてしまう。幸い、環の協力を得られることになった織音は、学年で一番の大和魔女・若宮の座を目指すが…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公眩星織音は、男性でありながら男子禁制・全寮制の女子校・常夜坂女学院に入学する。

・・・・・・というと、女の子いっぱいの中にひとり男で肌色でラッキースケベでキャッキャウフフなラブコメを想像しがちですが(しませんか?)、そういうのは全くなかったです。

 

むしろこれ、マリみてとかそういうのに近いような。

 

織音が潜入している動機や、物腰の柔らかさのせいなのか。
そもそもこの主人公からあまり男性的なイメージを読み取れないんですよね。
男とわかっていてもボクっ娘にしか思えぬ・・・・・・(((゜Д゜;)))
今まで読んだ中でも1、2を争う中性的な主人公かもしれません。薔薇マリのマリアローズに匹敵する。

 

ただ、「黒衣」という男装モードのときは普通に格好いいです。
というかグリモアコートを駆使する魔法バトルがとても良い感じです。
和洋折衷な大和魔女たちの装いと魔術がどことなく華やかで私好み。カラー口絵もとても綺麗でしたし。

 

戦闘シーンはともかく日常的には性別迷子な織音を中心に話が進むものだから、彼の周囲の女の子たちの空気もヒロインというより女友だちという感じの方が強い気がします。
優秀で凜々しい同級生(織音)に対する、憧憬と嫉妬の描写なんかまさに女学校物語。
終盤の試合中に友情を分かち合うシーンとか、(本来の性別を忘れて)女の子同士の爽やかな絆の誕生に感動してしまいましたw

 

まぁメインヒロインである千輪環だけは織音の性別を知った上で彼に好意を寄せているわけですから、友情とは違うのでしょうけど。
でもこれもやっぱり織音が中性的すぎるせいか、なんとなく百合っぽい。
手を繋いでいるシーンとか、口絵を見ても女の子の親友同士にしか見えないですし。これはこれで好きです( ・ㅂ・)و ̑̑

そういえば仲間になった鈴火ルカにはまだ性別バレしてないんですよね。次巻あたりで即バレしそう。

 

そういうわけで、「女の園に禁断潜入!」な話ですが、すごくあっさりサッパリしていて個人的にはとても読みやすかったです。
これ少女小説レーベルで出してもいけるよ!

 

織音の女学生生活も面白かったのですが、物語においては織音の復讐譚としての側面も重要でしょう。

魔法の存在が現実社会に融合した架空の歴史を歩んだ世界において、近い将来、均衡を揺るがしかねない重大な何かが起こる。

その予言によってざわつく「外」の世界と、不自然なまでの沈黙を貫く亜空間にある大和魔女の学院。
予想される混乱を切り抜ける可能性をもつために、他勢力から狙われる大和魔女のグリモアコート。

 

そんな情勢において、織音はグリモアコートの秘密を探るために両親を殺し、姉に後遺症の残る重傷を追わせた仇を追うのです。
中性的な織音ですが、憎悪を胸に滾らせるときの迫力は良かったです。

 

彼の復讐がどういう展開をするのか。
無意識に求めた結果、味方となったくれた少女達を敵からどう守り抜くか。

 

若宮選抜戦を勝ち抜いて無事に安息の(?)個人寮を手に入れた織音。
まだホームを手に入れただけですし、物語は序章と言ったところ。
続きがとても楽しみですヾ(*˙︶˙*)

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