ハイスクール・シークレット・サービス!


『ハイスクール・シークレット・サービス!』(水円花帆著/HJ文庫)★★★☆☆

ハイスクール・シークレット・サービス! (HJ文庫)
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2015年6月刊。
HJ文庫大賞第1回読者グランプリ優勝作。
舞台は、超高度情報化社会となり、スマートアイというウェアラブル端末が必須な2020年代の東京。
凄腕の傭兵である主人公が慣れない平和な学生生活を送りながら、ある女子高生の護衛という極秘任務に就くという物語です。
コメディはほぼないです。強いて言うなら主人公の成長を描く話?なのかな・・・・・・
心理描写関係が粗さが気になったものの、近未来SFとしては楽しめました。シリーズ化すれば面白くなりそうな気がします。

☆あらすじ☆
「平和だな、東京は」「そうですね。銃声と爆音で目覚めなくていいというのは快適です」凄腕傭兵の空木晴は同僚の燈華と共に染井学園に転入することになった。その理由とは、美少女であること以外は普通にしか見えない女子高生・榊ユニスを密かに護衛するという任務の為で――。第1回読者グランプリ優勝作の近未来学園バトルアクション堂々登場!

以下、ネタバレありの感想です。

 

某有名ロボットSFラノベを思い出す、凄腕兵士が女子高生を護衛する物語。
そういう系統の話でお約束ともいえる、「平和な学生生活に馴染もうと奮闘するも空回りしまくる傭兵主人公」というのが見たかったのですが、その点はちょっと期待が外れてしまったようです。

 

主人公・空木晴は、物語序盤こそ知識の偏りが激しいことやアンバランスな身体能力で目立っていますが、そもそも浮いた原因は上司の悪戯。
序盤もそんなに書かれてるほど浮いてるかな?と思っていたのですが(おかしな言動はほとんどしてませんでしたし)、行動制限プログラムの制御を取り戻してからはなんだか普通に学生生活に馴染んでいたような気さえします。

 

というわけで学園コメディではないのは前半で分かったのですが、じゃあどういう物語なのかというと、終盤までいまいちわからず(´-ω-`)

 

自分が平和な街の女子高生の護衛任務に就くのはおかしいのではないか?と与えられた任務への戸惑いを抱く晴の葛藤と成長を描く物語だったのかな、とは思うんですけど。

 

うーん。

 

成長したのはわかるけど、何がどう成長したのかよく分からないんですよね。
晴の過去が不透明なままだからか、歩との会話もいまいち要領がつかめず。
「大切な人」を作る事へのためらいを振り払ったということなんでしょうけど、そこがちょっと私にはしっくりこなかったです。

そもそも非難されているようなビジネスライクな感じがあまり伝わってきませんでしたし。距離置いてたかな?

加えて、ユニスとの親交を深める描写もあまりなかったことで終盤の展開を唐突に感じたせいもあるかも。
人間関係の描写については全体的に粗かったように思えました。

 

ちょっとマイナスを挙げ連ねてしまいましたが、世界観はとても好みでした!

スマートアイをはじめとするウェアラブル端末が必須の近未来。
それ自体はよく見かける設定ではあったものの、作中での近未来感の描写がとても丁寧だったんですよね( ・ㅂ・)و ̑̑
デザインを選べる制服とか。在宅している人間の会話を聞いて湯沸かしのオンオフを自動的に判断する給湯器とか。人そのものにマーキングして追跡とか。
クラッキングとかの派手なギミックも良かったのですが、そういう生活に溶け込んだ細かなSF描写の方も読んでいてとても楽しかったです。

 

「護衛対象と傭兵が絆を育んでいく物語」という点では粗が気になったのものの、SF作品としては面白い物語でした。

ユニスの脳内デバイスがいつどうして付けられたのか、とかデフォルメされた向日葵のマークの謎とか、伏線が残っているので続きが出るのでしょう。

展開次第ではもっと面白くなりそうなので、続きに期待します( ´ ▽ ` )ノ

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