神話伝説の英雄の異世界譚1


『神話伝説の英雄の異世界譚1』(奉著/オーバーラップ文庫)★★★☆☆

神話伝説の英雄の異世界譚 1 (オーバーラップ文庫)
神話伝説の英雄の異世界譚 1 (オーバーラップ文庫)

2015年5月刊。
2度目の異世界召喚≒強くてニューゲーム。
最初に召喚された異世界の1000年後に再び召喚された少年が、皇位継承争いで窮地に立つ皇女と出会う物語です。
異世界召喚俺TUEE系の王道を重ねる展開ではありましたが、これがなかなか面白い。主人公が最初の異世界召喚での記憶を失っているため単純な「強くてニューゲーム」とも少し違い、それが中盤の展開を熱くさせるのです。
まだ序章なので色々と謎はありますが、期待したい新シリーズ。今後の展開が楽しみです!

☆あらすじ☆
奥黒比呂はかつてアレーティアという異世界に召喚され、“軍神”として仲間と共に国を救い、周辺諸国を征服することで一大帝国を築きあげた。その後、比呂は全てを捨てる覚悟を決め、記憶を失う代償に元の世界へと帰還する。日々幸せを謳歌していた比呂だったが、なんの因果か再び異世界に喚び戻されてしまう。―そこは、1000年後のアレーティアで!?自身の築きあげた栄光が『神話』となった世界で、『双黒の英雄王』と呼ばれた少年の新たな『神話伝説』が幕を開ける!

以下、ネタバレありの感想です。

 

異世界アレーティアに召喚され、英雄《軍神》として活躍した後、地球に帰還した奥黒比呂。異世界での記憶を失い、平和な学生生活を送っていた比呂は、ある日突然再びアレーティアに召喚されてしまいます。
そこは自分が活躍した時代から1000年後の世界。
記憶を失っていた比呂は異世界召喚に動揺するも、直後にグランツ大帝国の第六皇女リズと出会い、彼女の庇護下に入ることになるのです。そうして比呂は、皇位継承争いの最中にあるリズの戦いに巻き込まれていく・・・・・・というのが大筋の流れです。

 

記憶喪失状態でリスタートというのは面白いですね。
最初は足手まといな自分の無力さを悔しがる比呂が、中盤で記憶を取り戻し、失われていた伝説上の剣を手に無双を始めるという爽快な展開が読んでいて楽しかったです。
ちょっと強すぎる気もしますが、精霊剣の保持者には苦戦していましたし、全体的にみればパワーバランスはある程度とれていそうです。

 

少し残念だったのは、人死にが出るシビアな世界観な割に(リズの兄貴分は死亡フラグをへし折ったと思ってたのになぁ)、そこらへんに対する心理描写がアッサリだったところ。もうちょっと情感を煽ってほしかったです。もっとも私がこってり描写が好みなだけで、テンポの良さを優先するのならこれはこれで良いのかも。

 

比呂が再び異世界に召喚されたのは初代皇帝アルティウスの思惑があってのことで、彼曰く「転換期」にあるからだそうですが、皇位継承争いの内乱のことを言ってるのか、それとももっと大きな枠組みでの戦乱を暗示しているのかはまだ不明。大きな話になるといいなぁ。

そういえば比呂の「天精眼」はどうして最後暴走(?)したのでしょうか。アルティウスの思念と会ったから?
そもそもどうして比呂が「天精眼」を持ってるのかもよく分からないんですよね。いずれ明かされるんでしょうか。

 

比呂とリズの関係がどうなるのかも気になります。
2代皇帝の末裔を名乗ったことで皇位継承権を得そうな比呂ですが、リズが皇帝になるのを助けるのか自分が皇帝になるのか、どっちに展開が転んでいくんでしょう?
私の好み的には前者で軍師ポジションに立ってほしいところ。比呂の性格的に後者はちょっと考えづらいような気もしますし。

 

ズといえば、出会い頭で比呂への好感度マックスな理由が分からなくて、なんとなくしっくりこないヒロインだったのですが、ラストで介抱しながら比呂に語った理由でようやく納得して好感が持てるようになりました。
むしろ結構好きなヒロインになりそう。
容姿で興味をひいたこと以外にも、アルティウスの子孫&同じ炎帝の持ち主ってことで惹き合うものがあったというのもあるのかな?
彼女の内面をもっと知りたいところですが、そこは次巻以降に期待ということで。

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