六花の勇者3


『六花の勇者3』(山形石雄著/集英社ダッシュエックス文庫)★★★★☆

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前巻の感想はこちらから
六花の勇者2 | 晴れたら読書を

2012年11月刊。
面白かったー!!
今回もまた前巻までとは構成を変えての「7人目探し」。そして、諸般の事情から前巻では木偶の坊状態だったゴルドフのターンです。
毒気が強い人間ドラマの読み応えが素晴らしい。全体的に見るとミステリー色はいくらか薄れてしまいましたが、これはこれで私はとても好みでした。

☆あらすじ☆
騎士か、叛徒か。勇気か、暴走か。テグネウの脅威(きょうい)にさらされたまま、魔哭領(まこくりょう)を奥へと進む六花(ろっか)の勇者たち。その道中、ゴルドフが突如「姫を助けに行く」とだけ告げ、アドレットの制止を振り切って姿を消す。不可解なゴルドフの行動に、六花は再び混乱に陥る。ゴルドフが「七人目」なのか、それとも何かの策略にはめられているのか…!? さらに、再び現れたテグネウは凶魔(きょうま)たちの内紛について語り、挙句(あげく)に自分と手を組まないかと提案をしてくる。果たしてその真意とは? 伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第3幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

ナッシェタニアの逃亡以来、ずっと呆然自失状態だったゴルドフ。その彼が唐突に「姫を助けに行く」と言い残して去り、動揺する六花の前にナッシェタニアが再び現れる、というスタートを切る第3巻。

 

チャモを罠にかけて瀕死の状態に陥れたナッシェタニア。
「フレミーが敵だ」と言ってアドレットたちの前に立ちはだかるゴルドフ。
ゴルドフの前に現れ、ナッシェタニアを救って欲しいと願うドズー。
ナッシェタニアを一緒に殺そうとアドレットたちに持ちかけるテグネウ。

 

前半はアドレットたちの視点から、後半はゴルドフの視点から。それぞれの前に現れる凶魔は食い違う「事実」を告げてきます。

誰が言っていることが真実なのか。どこまでが嘘で、何を信じてはいけないのか。

ナッシェタニア、テグネウ、ドズーの三者が入れ替わり立ち替わり矛盾したセリフを吐き、嘘が重なって真実がどんどん見えなくなっていく不気味さ。
終盤ギリギリまで真実が見えてこない展開に、吸い込まれるように読み進めてしまいました。それぞれが本当のことを言いながら嘘を織り交ぜるせいで余計にややこしい。

特にナッシェタニアについては信用ならないイメージがこびりついていたため、ゴルドフの耳に届いた声とアドレットたちの前に現れた人物のどちらの言ってることも嘘っぽくて困りましたw

 

それにしても凶魔たちは本当に強かです。
魔神を倒して世界を救うという華々しい役割を背負う六花の勇者。そんな彼らの生死を賭けに利用する凶魔の統領たち。
皮肉というかなんというか。
今回は完全にドズーに利用され尽くした形になってしまいましたし、六花の勇者にはそろそろ良いところを見せてほしいのですが・・・・・・。アドレットもっと頑張れ。

 

さて、今回のメインだったゴルドフ。
1巻からすでに彼のナッシェタニアへの想いには触れられていたのですが、それをさらに掘り下げる回でした。
ゴルドフがナッシェタニアの騎士になるまでの回想シーンとか、愚直なまでのナッシェタニアを追い求める現在の姿とか。
世界を救う使命と忠誠を誓った姫を天秤にかけて、苦悩の果てに姫を選び取るっていうのが、もうね。アンタが主人公だよ・・・・・・と言わせんばかりの格好良さでした。
いや、六花的には裏切り者なんですけど。でもここまで自分の想いを貫けるのなら、それは紛う事なき騎士の在り方だと思うのですよ。

 

それと、このゴルドフを主人公とした人間ドラマの何が素晴らしいって、ヒロインの「姫」であるナッシェタニアの鬼畜っぷりですよねw
出会ってからずっとゴルドフに自分の考えを隠し、1巻では裏切って置いてけぼりを食らわせ、そうしてピンチになったら「ゴルドフは絶対に助けにくる」と言い切る。
ゴルドフの想いを全て完璧に理解した上で、堂々とそれを利用する剛胆さ。潔いばかりの外道。鬼畜ヒロイン爆誕です。

過去の「助けに行ってもいいですか」という願いのシーンではあんなに尊くて美しい姫と騎士の姿が、その願いが果たされる瞬間にはこんなに変容するものなのか。

いや、あの姿も、美しい・・・・・・?美しいのかな?美しいのかも?挿絵は美しかった。
「ナッシェタニアが命を賭けてゴルドフの想いを信じ、それにゴルドフが命を賭けて応えてみせた」とみれば、過去の姫と騎士の姿とは何も変わっていないのかもしれません。
ゴルドフの想いが純粋すぎるゆえに、それを搾り取るように利用し尽くしたナッシェタニアが恐ろしいだけで。絶対まだ何か企んでるだろうしなぁ。

 

それはともかくドズー・ナッシェタニア組と一時的な同盟関係を結ぶことになった六花の勇者たち
これが今後どういう影響を及ぼすのか、今から不安で胸がいっぱいです。

 

それにしても全然正体が見えてこない「七人目」。

モーラ、ゴルドフは六花であることが凶魔によって証明されたわけですし(これはさすがに覆らないでしょう)、ハンスは死んだときに紋章が反応(ただし絶対の保証ではない)。
残るはアドレット、チャモ、ロロニア、フレミー。
そのうちフレミーが七人目だとドズーは言ってるわけですが、ここにきてそんな展開あるのかなぁ。
テグネウの口振りを見る感じアドレットではなさそうだし、チャモとロロニアは癒し枠でしょ(違)
ならやっぱり・・・・・・ハンス?

 

わからん!とにかく続きを読み進めます( ´ ▽ ` )ノ

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