香魅堂奇譚


『香魅堂奇譚』(羽根川牧人著/富士見L文庫)★★★☆☆

香魅堂奇譚 (富士見L文庫)
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著者は第25回ファンタジア大賞金賞受賞作「心空管レトロアクタ」でデビューした羽根川牧人さん。
本作は「香」をテーマにした心霊ものです。霊的な現象を科学的アプローチから描く作品は数ありますが、香りだけで説明しようとした作品は初めて読みました(たぶん)。
脳の勘違いなのか、本当に霊がいるのか。わざと曖昧にぼかした書き方は良いですね。ちなみにホラーではないので、怖いのが苦手な方でも大丈夫です。

☆あらすじ☆
京都に居を構えるお香専門店《香魅堂》。「霊なんて存在しない」と言い放つ、慇懃無礼な十代目店主・辰巳のもとに持ち込まれるのは、やっかいなオカルト事件ばかりで……。霊感ゼロの辰巳は、どう解決するのか!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

霊感持ちであることがコンプレックスの女子大生・麻衣
そんな彼女が春から新生活を始めた京都の地で見つけたのはお香の専門店「香魅堂」。そこで口の悪い店主・辰巳や軽薄でドMの住職・清風と出会い、何だかんだで辰巳の助手となった麻衣は様々な心霊現象の解決に奔走する、というのが本作のストーリーです。

 

霊感ゼロの辰巳は科学的観点(?)から心霊現象を解き明かしていくわけですが、それの根拠となる「霊香」という設定がなかなか面白い。
ちょっとよく理解できないところもありましたけど、死者が生前に残した強い想いの残り香がモノに移り、それを嗅いだ人間が心霊現象を錯覚するということでいいのでしょうか。
しかし、匂いに人を操る効果とかがあったら怖すぎますね。途中の珈琲店の話とか不気味すぎでしたし(大阪梅田の観覧車は有名ですねw)。それを悪用しようとしたのがラストのお兄ちゃんの話だったわけですけど・・・・・・

でも、アロマとかヒーリング効果がある香りというのは実際あるわけだし、それを突き詰めていけば人の感情をコントロールしたり厳格を見せる匂いというのもできるのだろうか。ドラッグみたいですね。

 

「霊香」や「叙香師」という設定はなかなか面白かったですし、ストーリーも悪くなかったです。強いて言えばちょっと説明がわかりにくかった気がしますけど、ここは人によりそう。とりあえず香炉ほしくなりました。

 

キャラもなかなか良かったです。主人公ふたりよりも清風の方がキャラが立ってる気がするのはどうかと思いましたけどw担当が贔屓にしているなら仕方ないw

 

辰巳と麻衣のつっけんどんな関係はなぜか少し慣れなかったのですが、ラストで白亜の件について辰巳が立ち直れたから、ふたりの関係が進むのはこれからなのかもしれませんね。ずっと「助手」呼びだったのがちゃんと名前で呼んでくれた時にはホッとしました。

 

一応、この巻で話はまとまっていますけど、シリーズ化するなら続きを読んでみたいです。

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