かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。


『かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。』(友麻碧著/富士見L文庫)★★★★☆

かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)
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かっぱ同盟さんの別名義作品であり、和製「美女と野獣」な異種婚姻譚+飯テロ小説です。といっても婚姻する話ではなく婚姻しない方向で頑張る話なんですけど。
死んだ祖父の借金のカタとして鬼の嫁とさせられそうになった女子大生が、婚姻回避のために借金を返済しようと奮闘し、祖父譲りの料理の腕と度胸であやかしの胃袋をつかんでいくお話。
物語としては序章という感じですが、優しくて賑やかで美味しそうな雰囲気がかなり好みでした。これはぜひシリーズ化してほしい!

☆あらすじ☆
あやかしが経営する宿に「嫁入り」することになった女子大生の細腕奮闘記!
祖父の借金のかたに、かくりよにある妖怪たちの宿「天神屋」へと連れてこられた女子大生・葵。宿の大旦那である鬼への嫁入りを回避するため、彼女は得意の料理の腕前を武器に、働いて借金を返そうとするが……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

たったひとりの肉親だった祖父史郎を亡くした女子大生の
放蕩者で快楽主義で「クズ野郎」だった史郎が、自分の借金のカタに孫娘を嫁にやるという約束をしていたことから、葵は鬼の大旦那様の花嫁としてあやかしの世界である隠世(かくりよ)に連れ去られてしまいます。
嫁になりたくない葵は、自力で借金を返そうとするため、大旦那様が営むあやかし専門の宿「天神屋」で働くことになる・・・・・・というストーリーでした。

 

借金返済のためにまずは職場を作るところから始まり、試行錯誤の中で色んなあやかしと出会い、彼らに料理を振る舞いながら葵の物語が進行していきます。

 

葵の料理が本当に美味しそうなんですよねぇ。
九州的味付けがどんなものかよくわからないんですけど(注・九州の人)、出てくる料理はどれも家庭的にありふれていて簡単に味を想起できるものばかり。
それでいて葵自身は楽しそうに作るし、あやかしは美味しそうに食べるしで、もうたまらん!!お腹減ったーーっ!
大根おろしをのっけた和風オムライスが!とても!食べたいっ!!

 

そんな葵の家庭的和食に次々と胃袋を捕まれていくあやかしたちも実に個性豊か。
皆やたらと人間くさくて、怒ったり笑ったり泣いたり悩んだりと忙しいやつらばかりでした。

最初は葵を拒絶したくせに、どいつもこいつもちょろすぎるなぁと思っていたら葵の料理の秘密を知って納得。
美味しくって力も出るなら、心のしこりも解れちゃうでしょうね。
それにしても開き直った後のお涼が女友達みたいなポジションに立ったのには笑いました。狸娘とお涼と葵で女子会でも開けそうだなぁとか思ったり。

 

色んなあやかしへ次々とスポットを当てながら、少しずつ語られていくのは史郎の人となり。
きっと本当にとんでもない人だったんでしょうw
あやかしの思い出話だけでなく、徐々にかくりよに慣れてきた葵の言動からなんとなくわかります。葵のタフな精神とか度胸とか、きっと祖父譲りなんでしょうね。

自分に厄介ごとを押しつけた祖父への愛情と苛立ちと色々入り混じった複雑な感情を抱いていた葵。
史郎の思い出を語るあやかしと触れあうことで、やっと史郎への弔いができたってことなのかな。
史郎へお弁当を墓前に備え、現世ではなく隠世に新たな居場所を見出したことで、ようやく葵はスタート地点に立てたのでしょう。

 

葵がかくりよに残ることを決めたことで、気になるのは大旦那様との関係がどうなるのか。
作中でそのまま言及されていることですが、序盤の流れはほんとに「美女と野獣」なんですよね。
ただし、大旦那様が葵を嫁にすることにこだわっているのには何か理由がありそうです。
そこらへんは今回ハッキリとしなかったのでおそらく続編が出るのでしょう(察する程度の情報は出ていましたが)

ていうか「嫁入りします」って言っておいて、してないし!!

ぜひタイトルを回収して嫁入りするところまで書いて欲しいです。
葵が色々気付いたら、大旦那様はきっと渾身のデレを見せてくれるはず・・・・・・絶対そう・・・・・・そういうニオイがぷんぷんしますよー!!( ・ㅂ・)و ̑̑

 

葵が今度はどんなあやかしに出会ってどんな料理を振る舞うのかも気になるし、大旦那様とのラブ的な方向もどうなるのか気になるので、ぜひ2巻をください!

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友麻碧,LaruhaKADOKAWA / 富士見書房 2015-04-20
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