『風とリュートの調べにのせて2』(健速著/桜ノ社ぶんこ)★★★☆☆
前巻の感想はこちらから
少し展開が遅いかな?しかしこの堅実さはなかなか味があって魅力を感じます。
この調子でじっくりと主人公達の成長を描いていってほしいです。
☆あらすじ☆
地下七階の町にたどり着いたアル達。魔王軍の脅威を真剣に受け止めているアルや王女達に比べ、同級生の美女達はどこか現実感に乏しく、他人事のように考えていた。しかし魔王軍はアル達と少女達を分けて考えてはくれず、攻撃の手は彼女達にも及ぶ。それぞれが最善を尽くし、魔王軍の攻撃に対応していくアルや王女達。そして度重なる襲撃に翻弄される事で、同級生の少女達は他人事のままで本当に大丈夫なのかと、徐々に危機感を募らせ始める。そんな彼らの前に立ち塞がった新たな敵は、誰もが予想しなかった意外な人物だった。
以下、ネタバレありの感想です。
魔王軍復活により地下に取り残されてしまったアルたち一行。
じりじりと地上を目指しながら、平和に生きてきた少女達が戦時を自覚するまでを描くのが今回のストーリー。
200年という封印期間がそのまま人々の平和ボケを招いているということが描かれる話でもありましたね。
最前線の街はともかく、そこから少し離れてしまえば脳天気な暮らしが待ち受けているのがまた焦らせます。情報は届いているのに緊迫感は届いていないというか。
それはアルや王女たちと同行する級友たちも同じで。
遠足気分が抜けきらない彼女達にちょっと苛立ちつつも、平和な少女の時代を終えてしまった終盤の展開はドキドキしました。ここから彼女たちは戦う者として動いていくのでしょう。
級友の少女達がメインの話でしたが、アルと王女ふたりの関係も再びじっくり描かれました。
どうなるんだろう。メインヒロインはセレスだろうけど、シェイラが思ったよりも前に出始めた感じです。姉妹との三角関係で全員が譲り合うとかやめてくれ・・・・・・
次は魔王軍が本格的に動くということで、続きも楽しみです!
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