偽姫 血族の花嫁と捕食者たち


『偽姫 血族の花嫁と捕食者たち』(藍川竜樹著/集英社コバルト文庫)★★★★☆

偽姫 血族の花嫁と捕食者たち (コバルト文庫)
偽姫 血族の花嫁と捕食者たち (コバルト文庫)

面白かったー!!
最強の守護獣と契約してしまった少女が、護衛役の新米教官に助けられつつ、自分の存在が意味するものを知っていく物語です。
血族と守護獣の関係や天空に浮かぶ島々など舞台設定がとても魅力的でしたし、ストーリーそのものも読み応えたっぷり。
あらすじから逆ハーレムな学園ものかと思っていたのに、単なる箱庭なラブコメに留まらない、予想以上に大きく凝った世界観のファンタジーでした。
ぜひシリーズ化してほしい!

☆あらすじ☆
侍女の私が血族を束ねる女公爵!?
守護獣を使役できる血族の娘・リリアの侍女ティナは事故で守護獣と契約し、次期公爵候補に選ばれてしまう。そのせいで婿の座を狙う血族の御曹司達に逆玉の輿婚の標的にされてしまうわ、たった一人求婚してこない教官のレギオンからは「俺の兄の嫁になれ」と口説かれるわで・・・!?男の園で繰り広げられる捕食者系御曹司達の求愛の嵐に耐えられるか!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

予定外のハプニングによって、炎の一位〈グリュンドル〉という最強の守護獣と契約してしまったティナ。そのハプニングによって眠りについてしまった女主人リリアの代わりに王都へと向かった彼女は、そこで自分の存在が何を意味するのかを知ることになるのです。

 

この物語はとにかく私好みの中二要素がたっぷり詰まっていてとても楽しかったです!
「血族」だけが喚び出すことができる守護獣。その守護獣の力によって支えられている、空に浮かぶ島々。その島々をつなぐ飛行船。「血族」を束ねる長たる公爵位と、その公爵が管理し血族の子弟が通う〈天空城〉

もうキーワードを並べていくだけでもときめきが・・・・・・っ!!
あらすじや序盤の展開から逆ハーレムな学園ものなのかと思っていたのですが、もっと壮大なファンタジーに仕上がっているのも良かったです。天空城にいたのは前半だけですしね。

 

とはいえ、サブタイトルに偽りなし。
この物語は、国家間のパワーバランスを崩しかねない強大な力と、それを次代に受け継がせることのできる血を持ったティナを狙う男たちの手から必死で逃げ続けるストーリーであることは間違いありません。それが学園の貴族のボンボンたちから逃げるとかいう箱庭的なスケールじゃなかったのは良い意味で裏切られましたが。

守護獣に由来するファンタジーな力を持っているのはティナたちのアヴァロン王国だけ。他国は虎視眈々とその奪略を狙っていて、今まさにその狙いの最優先にあるのがティナというわけです。

逆ハーレムでドキドキ!とかそんな浮かれた話じゃなかった・・・・・・!
文字通り「捕食者」がいっぱいなんですね。相手によっては食われるのはティナだけに留まらないかもしれないだけで。

 

他国の影が見え隠れし始める後半からの展開はミステリー調であったこともあってとても読み応えがありました。いやほんと素晴らしい。私はてっきりレオナルドが王子だと思っていたので完全にミスリードに引っかかってしまいました(´・ω・`)。表紙にジャックがいることをもっとちゃんと意識していれば・・・・・・。

 

そんな緊張感ある物語の中で、ほぼ孤立無援なティナの味方となるのが〈天空城〉の新米教官レギオン
レギオン自身の事情がサイラスの口から明かされるシーンは引力めいたものを感じました。あそこで一段と物語に惹き込まれた気がします。
重い事情を抱えているくせに、それを変に悲劇ぶらないところがとても格好良かったです。有能なくせに間抜けとか思っててごめんよ。

ティナとレギオンの関係はほんのり甘いものでしたが、まだまだこれからって感じですね。「兄嫁」とかいう寝言は聞き飽きた!二人ともそんな状態になることを望んでいないことに早く気づきなさい!!

 

というわけでティナとレギオンの関係の進展が気になるのでぜひ続編がほしいです。
リリアは眠ったままですし、イドリスは逃げちゃいましたし、最強の力を持つ血族としての自覚を芽生えさせたティナの成長も見たいですしね。
ほんとにほんとにシリーズ化してほしいなぁ。

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