王女ベリータ 〜カスティーリアの薔薇〜 上・下


『王女ベリータ 〜カスティーリアの薔薇〜上・下』(榛名しおり著/講談社X文庫ホワイトハート)★★★★☆

王女ベリータ~カスティーリアの薔薇~(上) (講談社X文庫ホワイトハート)
王女ベリータ~カスティーリアの薔薇~(上) (講談社X文庫ホワイトハート)

15世紀のイベリア半島を舞台に、実在のイサベル女王の波乱の少女時代を描く物語。
史実にフィクションを織り交ぜながらの、ライトな歴史小説として面白い作品でした。重すぎず軽すぎず丁度良い塩梅。
少女小説としては、結末がちょっと納得いかない・・・・・・(血涙)
初読み作家さんだったのですが、こういう作風が得意な方なのかな?他作品も気になってきました(そういえば最近新作出てる)

☆あらすじ☆
カスティーリア王だった父亡きあと、母と二人、修道院に幽閉された王女ベリータ。その母とも引き裂かれ、孤独の中、誰も信じられずにいた。ある日、彼女のもとに現れた二人の騎士によって、外の世界に連れ出されたベリータ。彼らは、敵?それとも味方?その日からベリータの運命は、大きく動きはじめるのだった……。

以下、上下巻まとめてのネタバレあり感想です。

 

後に、イベリア半島にスペイン王国を築くカスティーリア女王イサベル。
この作品は、ベリータという愛称だった少女時代の彼女の初恋と波乱を描く物語です。

 

王女ベリータの物語として、とても読み応えがある作品でした。
史実に基づくものではありますが、歴史的背景の説明や、登場人物はかなりコンパクトに抑えられており、少女小説としても楽しめる範囲でのライトな読みやすさが維持されていたのはとても良かったです。

 

主人公であるベリータの圧倒的な存在感も素晴らしい。
母の呪縛や幽閉のせいで世間知らずでありながらも、王としてのカリスマ性を発揮する姿にはゾクゾクとしました。それでいて、アロンソとの関係では年相応の少女らしさを見せたりもして、その二面性に惹かれるヒロインだったと思います。

 

私はこういう史実ベースの作品を読んでるとネタバレ上等でWikipediaを参照してしまうタイプなのですが、そこでひたすら疑問だったのはアロンソの存在。
こいつ誰だよ?と思っていたらほぼオリジナルキャラだったんですね。ゴンサロの方が実在の人物だったという驚き。
イサベル女王にはwikiの情報だけでも無二の戦友だっただろうと想像される夫・フェルナンド2世がいるため、どうしてフェルナンドをヒーローにしなかったのか上巻を読んでいる段階では疑問で仕方ありませんでした。
というか史実通りにいけばアロンソへの初恋は実らないわけで、それはなんか少女小説的にはイヤな展開だなぁとビクビク。

 

そんな私の不安はある意味で的中してしまいました。的中したけど予想外でした・・・・・・

 

夫公認のメンタルケア担当愛人になるのか。すごいですね。これはちょっと純度100パーセントの少女小説ではあり得ない展開ですね!w
アロンソみたいに私まで脱力してしまいました3人が幸せならもうなんかそれでいいや!

 

まぁ正直なところ、やっぱりフェルナンドをヒーローにおいて、夫婦でスペイン王国を作り上げる姿を書いて欲しかった気もします。でもそんなことしたら上下巻におさまりそうもないですよね・・・・・・。
それに、アロンソをヒーローとすることで、愛を知らずにいたベリータが政治的駆け引きやらの雑多な感情に惑わされず、純粋に初恋を育んだ姿を見ることができたわけですし。フェルナンドが相手だとどうしても王族という立場を踏まえての恋愛になってしまいますからね。そこが狙いだったのかな。それなら納得です。

 

面白い作品でした。榛名さんの他作品も機会をみつけて読んでみようと思います。

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