『桜乙女と黒侯爵 双子姉妹の秘密』(清家未森著/角川ビーンズ文庫)★★★★☆
前巻の感想はこちらから
大正浪漫溢れる和風ファンタジー小説第2弾。
今回の双子姉妹の事件そのものも面白かったのですが、徐々に明かされる有紗と京四郎の過去にもドキドキします。
まだ糖度控えめかなー?とか油断してると京四郎さんが唐突にデレ発言を繰り出してきたりするのでそれも心臓に悪いですww
☆あらすじ☆
時は大正。家柄だけは良いお嬢さまの有紗は、名門華族・烏丸家の御曹司である京四郎と「特別な雇用関係」にある。大好きな従兄の帰国に浮かれたり、美少女からの恋文に動揺したり、それによってなぜか京四郎が不機嫌になったりと、有紗の周囲は今日も騒がしい。そんな中、巷で話題の「超能力少女」をめぐって、再びとんでもない事件に巻き込まれてしまい…!?恋も謎も大増量!大正乙女浪漫小説、待望の第2巻!
以下、ネタバレありの感想です。
今回は、有紗の後輩でエス(姉妹の契り)となった松小路緋早子や、その双子の妹四ノ宮蒼生子と知り合ったことで、蒼生子をターゲットとする誘拐事件に巻き込まれるお話でした。
ラブレターをもらった有紗に対して「とりあえず手紙を音読してみたまえ」と言っちゃう京四郎さんマジドS。
そして有紗はかなりの優等生なんですねぇ。緋早子の目から見ると完璧超人的な理想のお姉様でその内実は見栄と努力の子っていうのが有紗らしくて微笑ましい。
緋早子と蒼生子の誘拐事件については「超能力」「怪人」「予告状」「双子の入れ替わり」とキーワードだけみると江戸川乱歩ミステリっぽくてドキドキしつつも、前回以上にファンタジー色が強い内容でした。【闇】という重要そうなキーワードも登場。今後も【闇】が発生しそうな事件に関わっていくことになるのでしょうか。
今回の誘拐事件自体は切ない家族愛が引き起こしたともいえるものだったので、救いのある結末で良かったです。ハメた結社以外、誰ひとり悪意がなかったわけだし、これで蒼生子だけ消えたら後味悪いですもんね。
事件とは別に有紗の過去絡みの方も徐々に動きはじめてきました。
有紗父が持って逃げたという「桜の書」って、指輪に関連して名前が出てきた桜川博士の研究書か何かでしょうか。
桜の花びらを残していく「怪人」とは?
怪人の中の人は有紗と因縁があるようだし、タイトルの「桜乙女」の意味も気になるなぁ。
1巻の舞台裏を京四郎視点で語られ、京四郎と有紗の本当の関係についてもゆっくりと明かされつつあります。
京四郎が烏丸公爵の養子であることと、有紗の母とはすでに面識があること、有紗の行方不明の父親を追っていること、は何を意味するのか。今巻の冒頭部分とか途中の会話を見る感じ、前巻感想で予想した親戚のセンは薄いのかな(父絡みで交流があった?)
あと京四郎は有紗が何かを思い出す度に彼女の記憶を消している?これって有紗が記憶を取り戻して云々な展開が来ないってことでしょうか(((゜Д゜;)))
10年も見守っていたこととか、有紗のために軍を辞めたこととか、京四郎がずっと有紗に尽くしたことがわかって何だか悲しくなってきました。有紗自身には記憶すらないのに。
時折ポンと放り投げてくる京四郎のデレ発言にニヤニヤしつつ、やっぱりこのシリーズは恋愛面はジリジリと進む感じなのかなぁとも思ったり。この焦れったい感じは好みなので良いんですけど、早く有紗が京四郎のことを思い出すといいなぁと願わずにいられません。
実は尽くしまくるタイプの京四郎が早く報われますように(´;ω;`)
続きが気になる!3巻発売が待ち遠しいです。
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