絶深海のソラリス1


『絶深海のソラリス』(らきるち著/MF文庫J)★★★★☆

絶深海のソラリス
絶深海のソラリス

こんなに面白いのに、こんなに人にオススメしづらい作品が他にあっただろうか。
ぜひ、このブログとは全く関係のないところで興味をもって読んでほしい作品。そして私と同じ地獄を味わってくれたらいいなって思う ( ꒪д꒪ )
地獄行きの責任は持てないですよ。無理無理。絶対地獄行くもん。
物語の舞台は、日本の領土を海に沈めた「大海害」から100年後の世界。前半は教官ものを取り込んだ学園ラブコメっぽく進み、後半は「ラブコメ?なにそれ美味しいの?」と言わんばかりの手の平返しを食らわせてくるパニックホラーとなっていきます。
もう色々ほんとに凄かった。テンポの良い文章は好みだし、パニックホラーとしての完成度は素晴らしいの一言。
このラノ6位の高評価に納得、人が薦めたくなる気持ちもよく分かります。
私は薦めないけどね・・・・・・
カラー口絵を見た段階で引き返せば良かったって、今もちょっとだけ思うのよ(´;ω;`)

☆あらすじ☆
《水使い》それは22世紀の人類が生み出した〝深海踏破の異能″――。山城ミナトは水使いの訓練生を指導する教官として、母校であるアカデミーに帰ってきた。そんな彼の教え子は二人。落ちこぼれでもマイペースな幼馴染の星野ナツカと、性格に難はあるが水使いとして至宝の才能を生まれ持つクロエ=ナイトレイ。時には反発を見せながらも前に進もうとする彼女たちを見て、ミナトは教官であることに楽しみを感じ始めていた。しかし、深海に沈む都市に〝S.O.S″が鳴り響いた時――平和だったミナトの日常は終わりを告げる。【深海】×【絶望】 戦慄の本格パニックノベルが登場。――この《結末》を、僕達はまだ、知らない

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は、「水使い」たちを養成するアカデミーの新米教官・山城ミナト

前半はミナトが受け持つことになった天才問題児・クロエや、ミナトの大切な幼馴染み・ナツカとの学園ラブコメ的な交流が描かれていきます。
割とテンプレな進み方をするのですが、ミナトのキャラクターや文章そのものがとても私好みな軽快さであったため、楽しく読み進めていきました。
ぽやんとしたナツカは可愛いし、ツンデレなクロエも良い子だし。ミナトの先輩教官であるアイシュワリンも面白かったですしね。
ぽんぽん女の子が出てきて「ああMF文庫Jらしいなぁ」とほのぼのしてしまいました。

 

これが良くなかったんです。
ちゃんと聞いてたのに!ゲスい展開するパニックホラーな作品だって知ってたのに!!
油  断  し  た (꒪ཫ꒪; )

 

引き金となるのは、前半から不穏な雰囲気をまき散らしていた大阪への遠征演習。

各ヒロインに愛着を持っていただけましたか?ラブコメは十分に楽しんでいただけましたか?
さぁ、ここからが本番ですよーーー!!
という幻聴が聞こえた・・・・・・ような気がする。

 

深海に沈む謎の施設からのSOS。
帰ってこないアイシュワリン。
沈みゆく船。食い散らかされた訓練生。
そして襲い来る化け物〈アンダー〉

 

パニックホラーな本性が顔を出してからは、まさに急転直下なジェットコースターに様変わり。
怖すぎて、はやくこの悪夢から逃げたくて、必死にページを繰りました。半泣き。夜中に読むべきではなかったです。
ホラーの出来が良すぎるのも考え物ですね。
グロテスクな描写はあっさりとしているはずなのに、鮮烈なイメージを脳内に叩き込んでくるのです。何度背筋が凍ったことか。

 

ちょっとした心の隙をついて、ポロポロと欠けていく遠征メンバー。
自分の判断を悔いながら、それでも生き残るために懸命に走るミナト。

苦難の末に彼が掴み取った結末は・・・・・・!!

 

いやいやいや。ちょっと待ってください。
この結末はひどすぎませんか。全方位救いなしとか、どこまで悪夢が続くのか。
あの犠牲は何だったんですか!必要なかったって!鬼か!!
ただでさえラストの挿絵で心が折れたのに。
メンタルを削り取られたどころの話じゃありませんよ。軽くトラウマを植え付けられた感ある。

ここまで壮絶なバッドエンドをMF文庫Jで読むことになるなんて。ガガガだったらまだ心の準備ができてたって言い訳させて。

 

これ、3月に2巻が出るんですよね?
確かに惨劇を引き起こしたコマキや「マザーグース」とか放置ですもんね。これはある意味、マクガフィン(サクラダリセットで覚えた)なので謎のまま終わってもおかしくなさそうでしたけど、物語が続くのであればミナトが今後立ち向かう相手として出てくるのかもしれませんね。

うーん。さて2巻どうするかなぁ。
読みたいが。怖い。でも読みたい。怖い。怖い。どうしよう。

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