『かけもち女官の花○修行 〜愛人路線はいばらの道!?〜』(乙川れい著/ビーズログ文庫)★★★☆☆
かけもち女官の花○修業 -愛人路線はいばらの道!?- (ビーズログ文庫)
前巻の感想はこちらから
残念ながら2巻完結というべきか、幸運にも2巻が出たというべきか。
新人賞拾い上げ作品ですが、この巻で一応おしまい。特に消化不良感はなかったですね。
前巻に比べると(アルマに常識が芽生えたからか)少し失速を感じたものの、コメディと糖度のバランスは程よく、軽く楽しく読めました。
新人作家さんですし、次回作にも期待したいと思います。
☆あらすじ☆
王子ハインの専属画家&恋仲となったアルマ。そこへハインの婚約話が浮上!ところが、その彼女は“2人の仲を応援しますわ”と可憐に宣言。アルマは“殿方をギンギンにする”という薬をこっそり授けられる!どこか怪しいと感じつつも悪い人には思えず、その助言に従ってみたのだが―!?恋と画業の王宮ラブコメに大波乱。
以下、ネタバレありの感想です。
ツッコミたいところはたくさんあるのですが、とりあえず
怪しい人からもらった怪しいクスリを王子に盛るなよ!!
登場時からずっと不憫なハインは恋人ができてもやっぱり不憫でした。
「婚約するんですか!?なら愛人やりまーす」なことを言われてヘコんでいるところを叩きのめされるかのようでしたね。哀れ。
今回はハインの婚約話からの令嬢誘拐事件と契約の絵筆をめぐる騒動でした。
ストーリー自体はそんなに悪くなかったのですが、能力関係のアレコレについては「これはもう不思議なもの」ということで深く突っ込んでいかない方針なんですね。2巻で終わりだし、仕方ないか。
前巻の変態過ぎたアルマは、ハインと恋仲になったところで少し落ち着きをみせた感じ。ちょっとした言動に変態じゃなかった画家魂を感じられる相変わらずの変人さを発揮はしていたものの、もうちょっとぶっ飛んでても良かったかなぁとは思います。対ハインに関してちょっとおとなしかったのが残念なんですよね。前巻の薔薇風呂を超える笑いはなかったなぁ。
そこらへんはハインの方が笑えました。所構わず愛をささやきまくって「こんな人だったっけ!?」ってくらい甘かった!まぁ不憫なんですけど。
ハインとアルマの恋はどうなるのかなーとは思ったものの、周囲は最初から祝福ムードたっぷりだったし不安に感じることはありませんでした。
びったりハッピーエンドに着地して満足。エピローグ的な短編も可愛くて良かったです。
惜しくも本作は終わってしまいましたが、ラブとコメディのバランスが割と好みな新人さんなので、次回作も楽しみにしていようと思います。
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