異世界管理人・久藤幸太郎2


『異世界管理人・久藤幸太郎2』(鈴木鈴著/電撃文庫)★★★★☆

異世界管理人・久藤幸太郎 (2) (電撃文庫)
異世界管理人・久藤幸太郎 (2) (電撃文庫)

アパートの管理人にして、そこからつながる異世界の管理人でもある久藤幸太郎。
絶対中立の調停者である彼が複雑困難な外交問題に立ち向かうシリーズの第2弾です。
1巻の時も思ったのですが、本当に面白いシリーズですよコレ。
今回は宗教国家の裏側でひそむ陰謀劇なのですが、濃厚な駆け引きをたっぷりと堪能できて満足でした。

☆あらすじ☆
アパートの管理人になったつもりが、そこに繋がる異世界まるごとの管理を任されてしまった高校生の少年・幸太郎。忙しい日々を送る彼の元に、新たなトラブルが舞い込んだ。一度危機を救った王女スフレが暮らす『草の国』が、異世界で大きな影響力を持つ『ヤクタ教』の総本山である『山の国』から圧力をかけられているらしい。教皇を務める少女・シャルフィと会談するため、『山の国』と繋がるアパートの203号室に入る幸太郎。だがその姿を、同級生の少女・長宮小宵に見られてしまい―!?異世界アパート管理人に就任した少年の活躍を描くシリーズ第2弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

オー・ヤサン、ぼっちだったんですね。うん。なんか分かる。

 

「他人の目から感情を読み取れる」なんていう特殊能力を持つ上に、ズバ抜けた交渉技術を持つ幸太郎。
一方で、無神経なことをうっかり言っちゃったり、泣いている女の子をどうして良いのか分からず立ちすくんだり。

今回は前回よりも幸太郎の人間味が出ていたように思います。
新キャラの長宮小宵が引き出したのかな。彼女自体はちょっと理不尽をゴリ押す女子高生な感じが苦手だったんですが・・・・・・このままヒロインの1人になってしまうんだろうなぁ。

 

そんな小宵も巻き込まれてしまった今回の一連の騒動。
「山の国」「ヤクタ教」「教皇」「贖宥状」などなど・・・・・・モチーフが思いっきりかの世界最大宗教でしたね。
聖職者の腐敗を異世界ナイズした物語はなかなか読み応えがあって面白かったです。
前巻同様、文章は読みやすいし状況は理解しやすいし、本当によくできている作品だと思います。

シャルフィの宗キチ具合はゾクっとするほど狂気的で、やや単調になりがちな展開にアクセントをつけていましたしね。
「神」が目の前にいることと、ファンタジーな彼女の生い立ちが生み出した狂信なんでしょうね。そこに隠された欺瞞をラストで幸太郎が一喝するのは、読んでいてとてもスカっとしました。

 

このシリーズの魅力はこの幸太郎の一刀両断っぷりだと思うのです。
悪役へのヘイトをがんがん溜めてからの勧善懲悪。
水戸黄門に通じる清々しさです。
「論破!」って叫びたくなる糾弾シーンも実に爽快でした。

 

前回に引き続きメインヒロイン(というより妹キャラっぽいけど)のスフレは善良っぷりを発揮。
ただ、スフレが自分から囚われたシーンは王女の品格のようなものも感じられて、そのバランスがとても魅力的でした。
・・・・・・愛の告白はまだ勘違いしたままだったかー。そうかー。

 

今回の実行犯のひとりであるゲランはまた出てきそうですね。彼の正体は一体?次は「星の国」が舞台となるのでしょうか。
3巻も楽しみです。

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鈴木鈴,とよた瑣織KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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