ひとつ海のパラスアテナ1


『ひとつ海のパラスアテナ』(鳩見すた著/電撃文庫)★★★☆☆

ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)
ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)

第21回電撃小説大賞「大賞」受賞作。
世界中の陸地が海の下に沈んでしまった世界を舞台に、セーラー姿のアキが過酷な海の世界を生き抜く物語です。
公式PVがとても良く出来ていて発売を楽しみにしていたのですが、内容も面白かったです。なんといっても世界観が魅力的でした。ちょっと終盤の展開に思うところがあったのですが、型にはまらないエネルギーを感じる作品だったと思います。聞いていた百合っぽさも苦手意識を刺激するほどではなかったので良かったです。2巻にも期待。

☆あらすじ☆
透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、「アフター」。セイラー服を着た14歳の少女アキは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。ある日、オウムガエルのキーちゃん船長を携えたアキは、航行中に恐るべき『白い嵐』に遭遇、船を失って浮島に取り残されてしまう。そこは、見渡す限り青い海が広がる孤立無援の島だった…。アキとキーちゃん船長の、『生きるための戦い』が始まる。第21回電撃小説大賞大賞受賞作。

以下、ネタバレありの感想です。

 

陸地が全て海に沈み、世界が青一色に染まった「アフター」の時代
美しいけれど人間が住むには過酷すぎるその世界をメッセンジャーとして1人で生きる少女・アキ

物語はアキが突然の嵐に襲われ、無人の浮島に漂着してしまうという衝撃の展開で幕を開けます。
序盤から厳しさを突っ込んでくる展開に衝撃を受けました。特にキーちゃんの最期は泣きそうになるほど。
過酷すぎるラノベだなぁ。生きるというのはどこまでも試練の連続なのかもしれませんね。

 

そんな序盤の過酷な世界観は、物語が進んでも基本的には変わりません。
キーちゃんとの別れの後に出会った少女・タカとの賑やかな航海の中でも、海しかない世界の生きづらさはひしひしと伝わってくるのです。
まぁでもそんな生きづらい世界でも人間というのはたくましいものですよね。
タカの職業がそんな生きづらい世界を象徴しているようにも思ったのですが、彼女がそこまで陰を背負っていなかったのが物語を読みやすくしていたように思います。

後半はそのたくましい人間の負の面が炸裂。
アキとタカのお互いを助けようとする自己犠牲的な友情と、彼女らを襲い来る残酷な仕打ちに終始ドキドキし通しでした。

美しくて残酷な世界観も、麗しい少女達の友情もとても良かった本作。
ただ終盤の展開がとても残念。
あそこで再会するのはご都合主義的すぎるのでは・・・・・・もうちょっと伏線があったら良かったのですが。
アキの両親の話も。うーん。なんだか腑に落ちない。
登場人物の関係者を全てつなげてしまうのは、せっかくの広い世界観を狭めてしまうように思えてしまうのです(´・ω・`)
全体的に面白い作品だったのですが、ラストだけが個人的に好みではなかったです。

 

そうはいっても再会を誓い合うアキとタカの姿は最後までとてもきらきらしていて良かったです。

2巻は4月発売だそうですね。
あれ!?予告でアキがまた遭難してる!!!

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