サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN


『サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN』(河野裕著/角川スニーカー文庫)★★★★☆

サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫)
サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫)

前巻の感想はこちらから
サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL | 晴れたら読書を

1巻から意味深に語られてきた「2年前」と「野良猫みたいな少女」。
その詳細がいよいよ明らかにされました。満を持して、という感じですね。
ケイと春埼の関係も、3巻を読んでからそれまでを思い返せばより切なくて仕方がなかった・・・・・。
1巻2巻の内容を踏まえての、第3巻。素晴らしかったです。

☆あらすじ☆
「どうして、君は死んだの?」“記憶保持”の能力をもつ浅井ケイ、“リセット”の春埼美空、そして“未来視”の相麻菫。二年前。夏の気配がただよう、中学校の屋上で、相麻は問いかけた。「私たちの中に、アンドロイドがいると仮定しましょう」夏の終わりに向けて、三人は考え続ける。アンドロイドは誰?最も人間からかけ離れているのは、誰―?二年前死んでしまった少女と、すべての始まりを描く、シリーズ第3弾。

以下、ネタバレありの感想です。

 

相麻菫を蘇らせよることとなり、物語はケイと春埼が出会い、そして相麻菫が死んだ2年前へと戻ります。
物語の中心に置かれるのは、「アンドロイドは誰か?」という相麻の問いかけ。
その問いかけの答えを探すかのように、中学生だったケイと春埼は、あるひとりの女の子クラカワマリの事情に介入していくことになります。

アンドロイドは誰なのか。
アンドロイドとは何か。

未来視をもつ相麻菫は、壮絶な皮肉ともいえるこの問いかけをどんな気持ちでしたのでしょうか。
最適解がわかるために選ぶことなく、「予定」をこなすだけの相麻菫。
常に二つの選択肢から、ルールに則って答えを選び続ける春埼。
問いかけが出された最初の印象とは対照的な、物語が進むにつれて浮かび上がってくる答え。
相麻菫が何をどこまでケイに求めているのかは分かりませんが、この問いかけに隠された彼女の悲しさとか諦めの感情がちらちらと見えて切なかったです。

 

この3巻を読んでケイと春埼の関係の見方も変わりました。
今よりさらに無機質な春埼と、露悪的なケイ。
出会いは思ったよりギスギス(?)してたんですね・・・・・・そんなふたりがどうして現在のような依存関係になったのか、過程を知ってしまうと切ない。
最初からケイは春埼のリセットのスイッチを持っていたわけじゃないんですよね。
ケイが春埼との関係にまだ能力の存在を必要とする理由もわかったようなわからないような。まだ、春埼との関係をつなぐ理由に感情をおく自信がないってことなのかな。だとしたら哀しいですね。

春埼が自発的なリセットを失ったきっかけとなった出来事と、それが引き起こしてしまった(?)事態が「2年前」の出来事として現在までケイの心に傷をつけていたんですね。自分が許せなかったんだろうなぁ。

 

それにしても、ケイはやっぱり優しい人なんですよね。
1巻でも2巻でも彼は「羊の皮をかぶった羊」だったわけですが、この3巻はよりそれが分かりやすくてケイに人間味が感じられたように思います。皮のかぶりかたが今より少し拙いからだろうなぁ。
ケイが両親を切り捨てて咲良田に残ったことも、それをずっと負い目に感じているところがすでに人間らしいというか、彼の優しさというか。

 

さぁ、過去が整理されたところで次巻からいよいよ現在に戻るわけです。
蘇った相麻菫は何をしようとしているのか。
「マクガフィン」を使ってまで巻き込んだケイに何をさせようとしているのか。
ケイ、春埼、相麻菫の三角関係もどうなっていくのか。
本当に面白くなってきました。今後の展開が楽しみです。

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