横暴陛下の姫補佐官


『横暴陛下の姫補佐官』(蒼井湊都著/小学館ルルル文庫)★★★☆☆

横暴陛下の姫補佐官 (小学館ルルル文庫 あ 4-3)
横暴陛下の姫補佐官 (小学館ルルル文庫 あ 4-3)

暴君の悪名高い皇帝陛下と、彼と共に不正を調査する役目を任された才女の中華風ラブストーリーです。
皇帝とヒロインがゆっくりと距離を縮めていく過程も良かったのですが、彼らの事情が事情だけにどういう落としどころをつけるのかハラハラとしながら読みました。その分、エピローグにはほっこり。良いラブロマンス作品だと思います。

☆あらすじ☆
幼い頃は母親とふたり、市井で貧しい暮らしを続けてきた紫那。その賢さを見込んだ大貴族の父親に引き取られてからは、大好きな母親と離れて、昂家の跡取り候補として姫君教育を受ける日々だ。
16歳になり、昂家の姫として初めて皇宮に登城した日。紫那は宴の席で得意の舞を披露するが、あろうことか、暴君と恐れられる皇帝・祐辰の前で大失敗をしてしまう! しかも、からかわれるように「後宮に入れ」と祐辰に言われた紫那は、立場も忘れてうっかり反発。勢いにまかせて紫那が知る市井の民の困窮ぶりを祐辰に訴えてしまい、我に返った紫那は厳しい処罰を覚悟する。
だが、皇帝に逆らった紫那を祐辰は責めず、それどころか自分の補佐官に任命。横暴なのに紫那の窮地を救ってくれたり、厳しい顔を見せるくせに紫那を甘く誘惑してきたり。祐辰の真意が見えない紫那は、戸惑いつつも心揺さぶられて…!?
優しい暴君とまっすぐな姫補佐官の、中華皇宮ラブロマンス!

以下、ネタバレありの感想です。

 

抜群の記憶力を持つ才女・紫那は、大貴族の庶子であり市井で育ったという出自のために嫌がらせを受け、皇帝・祐辰の前で転倒する失敗をさせられてしまいます。
しかしこれをきっかけに、祐辰の補佐官として登用され、彼と共に薬の不正取引の調査をすることになる、という物語です。

 

紫那はとにかく有能。それでいて自分の才能(学問は天才、舞はプロ級)や大貴族の跡取りであることを鼻にかけず、平民目線でモノが考えられるというハイスペックすぎる女の子でした。
欠点も弱点もなかったですね。もう少し弱さがあれば愛着がわいたのかもしれません。嫌味があるというわけではなく、なんというか完璧すぎて引っかからないヒロインだった気がします。

 

対して、暴君の仮面をかぶった祐辰の方は人間味があって良かった。横暴陛下でなければ宮廷の権力闘争に呑まれてしまうという立場にあり、たまにそのストレスから弱気をみせてしまう祐辰。でもその分だけ、彼が自分の治世を良くしようと拳を握りしめて努力している姿が感慨深かったです。

そんな感じだったので、紫那と祐辰をカップルとしてみればとてもバランスが良かったです。

 

そんな二人が不正を調査するかたわらで、ちょっとずつ恋心を育んでいく本作。
祐辰は当初の思惑から外れてあっという間にデレてしまいましたねw
祐辰が皇帝であるため、母が平民出身で父が犯罪者という紫那とはうまくいかないんじゃないか、ととてもハラハラしてしまいました。まぁ、そこらへんはファンタジー的大団円で済ませてしまいましたね。1冊完結ならこんなところでしょう。父の罪を知って、紫那が祐辰に自分は相応しくないと悩む姿は結構良かったんですけどね。もうちょっと悩んでくれても良かったかな。私がこういう葛藤と苦悩に苛まれる恋というシチュ好きなだけなんですが。

 

とはいえ、全体的には満足できる良作でした。エピローグのほんわかしたムードはとても良かったです。

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