ここで死神から残念なお知らせです。


『ここで死神から残念なお知らせです。』(榎田ユウリ著/新潮文庫NEX)★★★☆☆

ここで死神から残念なお知らせです。 (新潮文庫nex)
ここで死神から残念なお知らせです。 (新潮文庫nex)

いつか自分が死ぬとき、その後の自分はどうなってしまうんだろう?
と、考えまくって眠れなくなった夜が私にもありました。だいたい中学生くらいの頃。あれも一種の中二病なんでしょうか。
本作は、死神と名乗る美青年と彼に連れ回される引きこもりのニート青年が、死んだことに気づかない死者に死を宣告する物語です。
死んでいることに気づかないまま生前と同じ行動をとる死者(タイムリミットあり)っていうのはなかなか面白い設定ですね。ノリが軽いけど不気味な死神も良いキャラでした。
でもそんなことよりも、この死神がニート青年へと投げる言葉のナイフがぐさぐさと私にまで刺さって辛かったです。ごめんなさいごめんなさいって思いながら読んでしまいました。かなりガリガリと精神削られる系の小説です。もろもろ合わせて鬱注意。
それにしても「死ぬ」って何なんでしょう。
今夜は久しぶりに眠れなくなりそうな気がする・・・・・・。

☆あらすじ☆
「私、死んでいるの?」「はい。ご愁傷様です」梶(かじ)真琴(まこと)が、喫茶店で耳にした不可解な会話。それは、保険外交員風の男が老婦人に契約書のサインを求めている光景だった。漫画家志望で引きこもりの梶が、好奇心からその男を追及したところ、死んだことに気づかない人間を説得する「死神」だと宣(のたま)う。行きがかり上、男を手伝う羽目になったのだが──最期を迎えた人々を速やかにあの世へ送る、空前絶後、死神お仕事小説の金字塔!

以下、ネタバレありの感想です。

 

漫画家志望の半ひきこもり・梶真琴
彼は行きつけの喫茶店で、死神を名乗る美貌の青年・余見透と出会い、彼の「お仕事」を手伝うことになります。

死神の仕事は、死んだことに気づいていない人間に、死を受け入れるよう説得すること。
梶は余見の仕事に付き合いながら、色んな人間の死を見ていきます。

 

これから死ぬんですよ、って言われるのと、もう死んでるんですよ、って言われるのはどっちがより怖いんでしょうか。
まぁ、正直余見が何と言おうと、この話に出てくる死者に死の自覚がない以上、余見の宣告は「これから死ぬんですよ」という超短期余命宣告と同じようなものだと私は思うんですけどね。

いやすぎる・・・・・・どうせなら何もわからないまま覚悟もせずに死にたい(´Д`;)

 

それにしても、本作は想像以上にドライな作品でした。
こういう「死」というテーマを扱う小説って、もう少し良い話だなーって感じにまとめるものだと勝手に思っていました。感動秘話的な。
ところが実際読んでみると、出てくるエピソードはどれもこれも救いがない。
元から死んでるんだから救いなんて最初から無理なのかもしれないんですけど、残される生者へ対しても救いがないんです。容赦もない。
ここまで徹底的に後味が悪い小説は久しぶりかもしれません。ちょっと鬱になる。
余見がビジネスライクすぎるのも一因かもしれないんですけどね。
崩壊して消滅したおばあちゃんの話も、結婚式直後に死んだ新郎も、ダウナーどころか生気が抜き取られるレベルで鬱展開。

 

さらには、死者たちの結末を見てきた梶さえも・・・・・・。
いや、ここはベタであっても生きてることに感謝して奮起するパターンじゃないの!?
ちょっと予想していた結末とはいえ、やっぱりかと落ち込んでしまう鬱エンド。子供を助けたのに母親から怒鳴られておしまいか・・・・・・。
最期の大掃除でちょっと良い話風な雰囲気作ってましたけど、全然救われてないじゃないですかーー!((((;゚Д゚))))

 

死者たちの話自体も辛くて、梶に対して余見が投げつける言葉のナイフも辛くて、ああもうこれ最近読んでなかったタイプの鬱小説だわ・・・・・・と涙目になったところでエピローグ。

ああなんだ良かったそういうことね。てホッとした私の安らぎを返してください。

 

これは辛い。少なくとも私には辛すぎる小説でした(´;ω;`)
面白かったですけどね!
今はただもうおばかでハイテンションなラブコメが恋しくてたまらないです。

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