クロス†ウィザード 魔術都市と偽りの仮面


『クロス†ウィザード 魔術都市と偽りの仮面』(しきや著/HJ文庫)★★★☆☆

クロス†ウィザード-魔術都市と偽りの仮面- HJ文庫
クロス†ウィザード-魔術都市と偽りの仮面- HJ文庫

HJ文庫大賞の銀賞受賞作です。
魔術師が集められた都市を舞台に、魔術師組織の請負人(殺し屋?)の活躍を描くファンタジーです。
この巻では魔術都市で起こっている「獣人事件」の謎を主人公たちが追っていくわけですが、少し設定に凝りすぎてわかりにくく感じる部分もあったものの、全体的には面白かったです。
回収されていない伏線がたくさんありますし、新シリーズの序章というところなのでしょう。
ダークヒーロー系主人公と、彼と同棲することになる世話焼きヒロインの関係は可愛かったです。もうちょっとヒロインに個性があればもっと良かったかな。

☆あらすじ☆
壁に囲われた孤島にある都市『桐ヶ谷』。そこは“魔術”の才能を持つ者の為に作られた施設であり、牢獄であった。両親を失い、“魔術”の才能の有無も不明のまま桐ヶ谷にやって来た白藤陽彩は、その初日から“魔術”に関する事件に巻き込まれ、仮面を被った男に命を救われる。その男は“黒の断罪者”と呼ばれる悪名高き『魔術師殺し』だった。第8回HJ文庫大賞銀賞受賞作。

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公は殺し屋稼業なのか請負稼業なのかよくわからないんですが、アルバイトで「賢人教会」の依頼を引き受けている〈黒の断罪者〉狭霧絆
ある日彼は、魔術都市に引っ越してきた少女・白藤陽彩(ひいろ)と出会います。
ちょうどその頃、魔術都市では人が狼のような獣となって一般人を襲うという「獣人事件」が起こっており、これに巻き込まれた陽彩は下宿を失い、駆けつけた絆の家に居候することに。
こうして絆と陽彩の同棲生活が始まり、絆は獣人事件の謎を追う一方で陽彩に魔術を教えることになって・・・・・・というのが本作の概要です。

 

全体的なストーリーは悪くなかったです。
〈獣人事件〉の謎を追うことで真っ先にアヤシイ容疑者を出して、その後で最有力容疑者を挙げて、さらにはどっちも犯人でした!というオチはなかなか面白かったです。
クリス先輩あやしすぎるのにさっさと死んでしまってビックリしたし、あのまま崎和成が犯人で終わったら本を投げてたかもしれません・・・・・・。
それに獣人となる魔法に絡めた推理・種明かしや、「感染」という現象にスマホを使ったことがこの世界の常識からは盲点だった、というのも良かった。知らないURLをタッチしてはいけません。ウイルス感染超怖い。

 

欲を言えば、ヒロインである陽彩にもう少し個性が欲しかったです。
絆とセットで同棲カップルなノリの会話をしているシーンはとても良かったんですけどねぇ(´・ω・`)
魔術都市に引っ越してきた理由とかは特に語られていませんが(叔母の家から出たかっただけ?)、この巻で彼女の存在というのは「素人に魔術や桐ヶ谷の内実を説明する」という形で設定を紹介するためのギミックという印象が強すぎた気がします。絆が陽彩の魔術の家庭教師という立場をとるため、設定を会話調で紹介するシーンがそこそこページ数を占めます。終盤で獣人事件の真相解明をする段になってここでの魔術の説明が活きてくるわけですが、ちょっと説明描写が長すぎたような。途中で飽きちゃった(´・ω・`)

それ以外のところでの陽彩は今ひとつ特徴がなかったですね。彼女の言動がどういう過去に基づいてるのか明かされなかったせいで(強くなりたい理由は何だったのか)、地に足がついていなくてどことなくフワフワしていましたし。
ただ、陽彩については「絆の死んだ義姉に似ている」ということのほうが重要のようなので、義姉のエピソードがもっと増えればなぜ絆が陽彩を気にかけるのかの説得力が増すはず。ここらへんは次巻以降に期待したいところです。

 

まぁ、ヒロインが個性薄いなぁと言えるほど、他のキャラが個性的だったというわけでもないのですが。主人公である絆は悪くはないんですが、他のキャラはまだ顔出し程度な感じでしょうか。

その中でも割とキャラ立ちしていたと思える紗月はもっと上手く使えば面白そうだったのに、存在をもてあましている感じが残念でした。
メインヒロインとは同棲、お隣さんは色仕掛けでアピール頑張るサブヒロイン、ってもっと突っ込んでもイイ設定だと思うんですよ( ・ㅂ・)و ̑̑
もう少し陽彩と対立させてくれても良かったのになーw

 

不満点がいくつかあるものの、十分楽しめる作品だったと思います。
伏線が大量に残ってるし(絆の過去や、魔術都市の裏側など)、2巻もきっと出るはず。期待して続きを待ちたいと思います。

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