とある飛空士への恋歌5


『とある飛空士への恋歌5』(犬村小六著/小学館ガガガ文庫)★★★★★

ガガガ文庫 とある飛空士への恋歌5(イラスト完全版)
ガガガ文庫 とある飛空士への恋歌5(イラスト完全版)

あああ読み終わってしまいました・・・・・・。
あまりにも最高すぎて何でこんなに遅くなって読んじゃったのかすごく後悔してしまいました(読んでたらアニメ絶対観たのに!)
過酷なイスラの旅の果てにあるものを、余すところなく書き切った最終巻でした。ここまで世界観を突っ込んで描き出すとは思っていなかったので、結末はかなり予想外でした。切ない。
そして、カルエルをはじめとする寮生たちの成長がまぶしい。最後の最後まで感動させてもらいました。

☆あらすじ☆
イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで――」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。ふたりの選ぶ道、未来は……!?そしてイスラは「空の果て」にたどり着く。すべての謎が解き明かされる!超弩級スカイ・オペラ「恋歌」、感動のフィナーレ!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

ニナ・ヴィエントの身柄を要求してきた空の一族。
イスラは旅の安全と引換えに、クレアを差し出すことを決定します。

冒頭はひたすらアメリアが外交ゲームを繰り広げているのですが、アメリアVSゼノンのシーンは本当に面白かったです!アメリアかっこよすぎる。

アメリアの活躍によりイスラは安全に「聖泉」を渡ることが出来るようになったものの、クレアは置き去り。
クレアとカルエルの再会の約束は泣きました。その直前に「海猫さん」が昔話をするもんだから、追憶を思い出して恋歌もかよ!と悲恋の予感に震えてしまいました。あと、イグナはほんとにツンデレすぎて可愛い。

 

クレアの犠牲とレヴァームの協力によって、聖泉を越えて「空の果て」を目指すイスラ。
そして、イスラの人々は世界の真実を目にすることになります。
聖泉とか、空の果てとか、大瀑布とか、ファンタジーな要素はこれでもかと出ていたのですが、空の一族のマニウス王子からもたらされた世界の真実と、その言葉通りの光景は凄まじいものでした。
ファンタジーなんですが、星が球体ですらないっていうのは予想外。むしろあの世界の人々はそんな星に住んでおきながら球体世界の物理常識とかどうやって知ったんだ?天動説と地動説とかどうやって出てきたんでしょう?
まぁ、そのへんの細かいところは置いといて。
空の果てのシーンは実に壮大でした。イスラがゆっくりと消えていくのは切なくてたまらなくなりましたが。5巻までの思い出が脳裏に駆け巡りました。

 

空の果てを見極め、ついに帰還を果たしたイスラの人々。往復にかかる年月がすごい。
本当に壮大な旅路でしたね・・・・・・。

そして、帰還の興奮の中で、ある目的をもって皇子カール・ラ・イールの名を公表したカルエル。

愛だ!!
愛ですね!!

カルエルの熱い想いをぶちまけた演説には鳥肌がたちました。
自分たちの悲恋をエンターテイメントにして民衆を煽り、外交カードとなるべき武力と資金をかき集める。昔のカルエルだったら絶対にプライドが邪魔して実行できなかった方法だと思います。飛空士としてはもちろん、人間としても大きく成長したのを感じました。

 

クレアを取り戻す旅を前にした、ひとたびの休息の時間。
それぞれの家族との再会、寮生達のさよならのシーンはまたも涙がぶり返してしまいました。チハルとミツオのエピソードはどのタイミングで出てきても号泣必至。
ずっと一緒だったカルエルとアリエルが離れ、互いの道を歩み出すシーンも泣きました(というかこの巻を読んでいる間、泣かなかったシーンは数えるほどしか・・・・・・)アリエルの想いが切なすぎる!!!そしてその生涯はたくましすぎる!!w

 

自分の悲恋を武器に、第2のイスラの旅を始めたカルエル。
この旅の結末は描かれませんでしたが、最後に聞こえたクレアの声が全てを物語っているのだと思います。
「追憶」でも「サクラコ・アトミカ」でも思ったのですが、犬村小六作品のラストの余韻の残し方は絶品ですね。

 

本当に本当に最高のシリーズでした。
これからきっと何度も読み返すシリーズになる確信があります。

とある飛空士シリーズは既刊がまだまだあるので、これから読むのがとても楽しみです。次は「夜想曲」!

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