聖櫃の癒し手 -Restauro-


『聖櫃の癒し手 -Restauro-』(藍川竜樹著/集英社コバルト文庫)★★★★☆

聖櫃の癒し手 -Restauro- (コバルト文庫 あ 23-15)
聖櫃の癒し手 -Restauro- (コバルト文庫 あ 23-15)

これはほんと面白かった!!
神の恩恵を受けた「聖櫃」の修復をする修復士の青年とその補佐をする事務官の少女のコンビが、修復を依頼された聖櫃〈嘆きのレディ〉の謎に迫る、という物語。
ゴシックな世界観も好みだし、ヒロインの過去と役割が物語にしっかり根を張っている感じがとてもワクワクさせてくれるファンタジー作品でした。やっぱり聖職者の組織には陰謀がつきものですよね!(偏見)
ヒロインの背中に羽があるなど、中二っぽい異能や組織、設定が飛び交いますが、少年向けとは少しだけ雰囲気の違う、少女小説的なファンタジー世界がたまらなく好みでした。
そして何と言ってもツインテール!ロリータ銀髪ツインテール!!(最近「俺、ツインテールになります。」の放送が楽しみで仕方ないブログ主です)
16歳なのにちびっこな外見にコンプレックスを持つヒロインが可愛かったー(´∀`*)
天然無神経ヒーローとのコミカルな掛け合いも楽しかったです。
イラストが作品にこれ以上ないくらいぴったり合っていたのも良かった(モノクロ挿絵は本当に綺麗でした)。あとがきで藍川さんが自分からすがはら竜さんに熱烈ラブコールしたと聞いて納得。
続いて欲しいなぁ、まだまだ読みたいです。シリーズ化超希望!!!

☆あらすじ☆
神の力を無効化する〈堕天の徒〉と忌み嫌われ、所属する聖庁のあらゆる部署をたらい回されてきた新米神技官のエリスが次に配属されたのは、変人の巣窟と噂の窓際部署・聖櫃修復室。そこでエリスは癒しの手をもつ天才的な聖櫃修復士だが、聖櫃馬鹿で人を人とも思わないドS変人のカルヴァンと組まされるはめになり・・・!?
神の力の容れ物“聖櫃”をめぐるゴシック×ラブ×ファンタジー!!

カルヴァンは空気読めない天然だけど別にドSじゃないと思うけどな−。不器用な優しさが良かったです。ちなみにMは別にいたり。
以下、ネタバレありの感想です。

 

物語のキーワードは、神の力を受けて様々な恩恵を人々に施す〈聖櫃〉
主人公達はその〈聖櫃〉を管理する聖庁の下部組織・聖櫃局に勤める神技官で、勤める部署によって〈聖櫃〉を管理したり修復したり破壊したりするお仕事の人々です。Dグレの黒の教団がイノセンス集めに特化した感じでしょうか(ちょっと違うかな)。

主人公は、神の力を無効化する〈堕天の徒〉であるエリス。聖櫃局局長から監査の密命を受けてエリスが新たに配属されたのは、〈聖櫃〉が破損した際にその修復を行う部署・聖櫃修復室
そこで彼女は天才修復士カルヴァンとコンビを組まされ、着任早々、システィナ島で〈堕ち〉かけている〈聖櫃〉の絵画「嘆きのレディ」の修復に向かうことになる・・・・・・というのが序盤の流れです。

 

最初はギクシャクしていたエリスとカルヴァンが、〈嘆きのレディ〉の修復に励んだり、謎の妨害工作に立ち向かったりしていく過程で少しずつ互いをパートナーとして認め合っていくのがすごく良かったです。
カルヴァンは天然無神経系ヒーローだけど悪気が全くないのがすごく楽しいし、そんなカルヴァンに振り回されるエリスも可愛かったです。
エリスとカルヴァンのコミカルなやりとりはずっと面白かったのですが、ラストのカルヴァンのプレゼントは盛大に笑いました。美意識皆無か!いや、あれもまた先進的な芸術・・・!?ロリ美少女顔のマッチョ天使って誰得ww

 

〈堕天の徒〉の謎についてはちゃんとシリーズ化すればこれから明らかになるのでしょうね。
人間が〈堕天〉って付けただけで、福音の徒と変わらない存在な気がします。というか、背中に翼があることを考えれば、より天使に近い存在なんだろうなぁ、と推測。
エリスが翼を広げた挿絵が優美すぎて鳥肌がたちました。
エリス自身についてもまだ謎が残ってますね。彼女の父親が死んだ〈ディエラの悲劇〉にも謎がありそうですし、エリスを捕まえようとした少年の正体も気になります(たぶん局長?ストーカーかな?)

 

〈嘆きのレディ〉絡みの、今回の一連の展開もとても面白かったです。
登場時のイメージを覆して気持ちの良いキャラだった成金親子。
そして、〈嘆きのレディ〉の制作に隠された絵師と花嫁の淡い想い。
〈嘆きのレディ〉の修復に絡めてそれらのストーリーを展開させつつ、エリスの過去のトラウマも描いていく、なかなか濃密な話でした。面白かった−!!

 

エリスとカルヴァンは聖櫃修復のために各地へ出向するわけですから、うまくシリーズ化してくれたら広い世界観の面白い作品になると思うんですよね。
聖庁内部の抗争や局長の思惑とか、楽しくなりそうな要素はまだまだありますし、〈堕天の徒〉の存在意義についてももっと掘り下げていってほしいですし。実はマゾだったマルコの恋は・・・・・・どうでもいいですwカルヴァンにこてんぱんにやられれば良いと思う!

ヒロインとヒーローが仕事のパートナーとして活躍するラブファンタジーは大好きなので、ぜひ続きを期待したい新作でした。

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